天災と人災による木質基準の変遷
日本は地震国。地震被害があるたびに、建築や都市計画を規制する法律が施行されてきました。その流れを山辺構造設計事務所 山辺豊彦先生が緑の列島ネットワークMOKスクールの講義資料として整理されたものを、ご厚意により転載させていただきました。(一部、木の家ネットで編集を加えてあります)
| 立法化以前 | 大工棟梁の伝統的技術により強度は確保される |
|---|---|
| 1891(明治24) 濃尾地震M8.0 |
レンガ造、石造の被害大→木造の耐震研究始まる |
| 1897(明治30) | 鉄骨造、鉄筋コンクリート造が伝来 |
| 1894(明治27) 「木造耐震家屋構造要領」 |
1) 基礎構造に注意する 2) 木材の切欠きを出来るだけ避ける 3) 接合部には鉄材(金物)を用いる 4) 筋違い等の斜材を用いて三角形の架構を造る |
| 1920(大正8) 「市街化建築物法」 |
高さ制限(15.2m以下、3階建て以下) 木材の防腐措置 ボルトなどによる継手・仕口の緊結 掘立柱の禁止、柱下への土台の設置 土台・敷桁の隅部への火打ち材の使用 柱の小径の規定 柱の切欠きに対する補強 筋違いの使用(3階建のみ) 張付石(基礎)の厚さと軸部への緊結 |
| 1923(大正12) 9.1 M7.9 関東大震災 |
火災による2次災害 レンガ、石造:倒壊率80%超 下記の問題点を持つ木造倒壊 ・地盤が悪い ・基礎:石積み、玉石 ・壁、筋違い不足 ・柱細く、少ない ・柱、梁、土台の緊結不十分 ・土台、士口の腐朽 鉄筋コンクリート造の開発 |
| 1924(大正13) 関東大震災を受けて「市街化建築物法」改正 |
柱の小径の強化 筋違い、方杖の設置義務付け(3階建て) 高さ制限(12.6m以下) |
| 1926(大正15) 剛柔論争始まる |
強固な骨組みと壁で対抗する西欧型「剛構造」派と、 五重の塔のような「柔構造」派との間で「剛柔論争」(〜昭和11) 決着はつかなかったが、流れは剛構造派寄りに展開 |
| 1934(昭和9) 室戸台風 |
木造小学校の被害大 計算方法の見直し ・長期と短期の2段階 ・終局強度型の計算 |
| 1948(昭和43) 福井地震M7.1 |
直下型地震 木造家屋の被害甚大(軟弱地盤) |
| 1950(昭和25) 「建築基準法」 |
筋違いの必要量の規定 梁中央部下端の切欠き禁止 |
| 1959(昭和34) 「建築基準法」一部改正 |
必要壁量の強化 |
| 1964(昭和39) 新潟地震M7.5 |
液状化現象 |
| 1968(昭和43) 十勝沖地震M7.9 |
鉄筋コンクリート短柱の破壊 |
| 1971(昭和46) 「建築基準法施工令」改正 |
基礎を鉄筋コンクリート造とする 木材の有効細長比<150 風圧力による必要壁量の規定 ボルト締めにおける必要座金 防腐防蟻措置 |
| 1978(昭和53) 宮城沖地震M7.4 |
ピロティーの破壊 偏心の影響 ブロック塀の倒壊被害 |
| 1981(昭和56) 新耐震設計法 |
軟弱地盤における基礎の強化 必要壁量の強化(変形角の制限) 風圧力の見付面積算定法の変更 |
| 1983(昭和58) 日本海中部地震M7.7 |
津波 液状化 |
| 1987(昭和62) | 柱・土台と基礎をアンカーボルトで緊結する 集成材の規定 3階建ての建物の壁量、計算規定 |
| 1995(平成7) 兵庫県南部地震M7.2 |
大都市直下型地震(活断層、上下動) ピロティーの破壊 中層建築の中間層破壊 鉄骨極厚柱の脆性破壊 木造(軸組)建築の破壊 |
| 2000(平成12) 「建築基準法」改正 |
耐力壁の釣合いの良い配置の規定 柱、筋違い、土台、梁の仕口緊結方法の規定 基礎形状(配筋)の規定 |
| 2000(平成12) 住宅の品質確保促進法 |
耐震・耐風・耐積雪の等級を示す 性能規定が追加される |
| 2003(平成15) 12月 土壁告示 |
土塗壁の壁倍率1.0と1.5が追加になる! |










