ご来場くださった方の
感想をお聞かせください!
たくさんのご来場、ありがとうございました!
先人から受け継いだ、日本の気候風土や暮らしに合った、伝統の家づくり。
環境のことを考えたら、すぐれた未来性をもっているのに
法律的にはつくりにくい状態に置かれていました。
建築基準法ができて60年にしてようやく再評価がはじまり、
法律に位置づけるための作業がスタートしています。
とはいえ、一本一本個性のある木を使った、
地域ごと、一棟ごとにちがう多様な家づくりを
法律に位置づけるのは、むずかしいこと。
伝統構法らしさを活かして法に位置づけるには、どうしたらいいのか!
を、つくり手、国の人、学者がいっしょになって考えるシンポジウムに
若い大工さんたち含め、400名以上の方が集まり、
伝統構法を未来へつなごう!という熱気のあふれる一日になりました。
来場者のみなさんの声をいただいて、報告を書きます。
7/12おいでくださったおひとり、おひとりの声を、お寄せください!
ここをクリックしてアンケートフォームへ!
こんなイベントでした。
13:00〜 現場報告 「このままでは伝統構法の家がつくれない!」
綾部工務店 綾部孝司氏
すまい塾古川設計室有限会社 古川保氏
13:50〜 基調講演 「伝統構法」を取り巻く状況の変化
構造設計家 山辺豊彦氏
15:00〜 バネルディスカッション 「これからどうなる、伝統構法」
パネリスト
綾部工務店 綾部孝司氏
すまい塾古川設計室有限会社 古川保氏
山辺構造設計事務所 山辺豊彦氏
国土交通省住宅局住宅生産課木造住宅振興室長 越海興一氏
立命館大学 グローバルイノベーション機構教授 鈴木祥之氏
武蔵工業大学工学部建築学科教授 大橋好光氏
司会進行
三和総合設計 岩波正氏
コーディネーター
工学院大学建築都市デザイン学科教授 後藤治氏
18:00 終了予定
伝統構法のこれからを考えるために、またとない配役が揃うシンポジウムの出演者を紹介します!
1 実務者
姉歯事件にはじまった一連の耐震偽装発覚へのおとしまえとして去年の6月に施行された、改正基準法。厳格化を旨とした改正は、建築確認申請の停滞を招き、審査建築着工数が著しく下がるなど混迷状態を生み出し、今に至っているが、伝統構法も建築基準法に位置づけられてこなかったがゆえに、これまではそれでも建築主事の判断等でなんとかつくることができていたのが、厳格化によって融通性がなくなり、審査が硬直化したために、相当不利な立場に追い込まれるという状態にある。
中でも特に、建物と基礎とを緊結せず、基礎の上に柱を直接立てる「石場立て」というもっとも「伝統構法らしい」建て方は、建築基準法の仕様規定ではカバーされていないため「建てられないに等しい(建てられないわけではないが、ピアチェックというお金も時間も膨大にかかる審査を受けなければならなくなったため、住宅程度の施主には現実的ではなくなってしまった)」という状況に追い込まれている。
シンポジウムは、この「石場立て」の施工実績のある大工の綾部設計士の古川さんの現場報告から始まる。
大工:綾部孝司氏(綾部工務店)
2007年6月に改正基準法が施行されるまでは、2000年に施行された「性能規定(仕様規定に定められていない建て方であっても、構造計算で安全性が証明できればよいとする規制緩和)」により、限界耐力計算を用いることで、建築基準法に位置づけのない石場立ての建物でも合法的に建築できるルートが拓かれていた。埼玉で設計施工を一貫して行う大工とであり、手刻みで伝統的な家づくりに取り組む綾部さんは、改正基準法が施行される直前に、限界耐力計算で石場立ての家の確認審査を通した経験がある。基準法では建てにくい状態になっている伝統構法であっても、それを求める建て主が確実にある。そのニーズとは何なのか。現場報告では、ニーズの背景にある「環境への意識」を、建て主アンケートの結果をひもときながら、具体的に説く。
設計士:古川保氏(すまい塾古川設計室)
伝統的な要素をベースに地元の木で環境やまちなみに配慮した家づくりをする古川さんは、改正基準法の施行前に石場立てで11件の確認申請を限界耐力計算で通している。住宅レベルで合法的に石場立ての家をつくっている実績では、おそらく日本一の棟数。ことに高温多湿な熊本にあって、エアコンに頼らない自然な暮らしを実現するためには、床下があいていることが大事で、立ち上がりなしの基礎に柱を建て、柱同士は足固めでつなぐ石場立てはとても有効だというのが、古川さんが石場立てを積極的に採用する理由だ。「それが改正基準法以来、ピアチェック送りということになって困っている」木造二階建ての住宅レベルの建物に対して、マンションや高層ビルに対して求めるほどの高いハードルを設定することの矛盾を「環境に負荷をかけずに高温多湿な気候に合った家づくりをする伝統構法の火を消してよいのでしょうか?」と訴えつづけている。
※2人の出演のほか、「これからの木造住宅を考える連絡会」の6団体のつくり手に対して、伝統木造の実態アンケートを実施中。シンポジウムの中でそのまとめを結果報告。アンケート結果から見えて来た論点は、当日の議事進行に組み込む予定。
2 行政
「伝統構法を扱えない」という問題は、改正基準法以前から、そもそも建築基準法の制定時から綿々と続いていることだ。「バラック住宅を生み出さないために制定した最低基準」として制定された建築基準法には、戦前まであたりまえに行われていた日本の大工の高い職人技術による伝統構法は、そもそも位置づけられることがなかった。自然素材である木がもつ素材としてのばらつき、棟梁が一軒一軒手刻みするという個別性、地方によって異なる気候風土に応じてちがった工夫がされてきた地域性といった多様性を、工学的に扱いにくかったという背景もある。改正基準法で法の適用が厳格化されたことにより、この問題が「あぶり出された」に過ぎない。このままでは、建築基準法があるがために、歴史的文化的な価値があるだけでなく、めざすべき資源循環型社会にふさわしいすぐれた環境性能をもった伝統構法がつくれなくなるという事態に陥ってしまう。
国土交通省木造住宅振興室:越海興一室長
この問題をここ3カ年で、具体的に解決するという目標を打ち出し、現場実務者も入れた形での委員会を始動させたのが、国土交通省木造住宅振興室越海興一室長だ。伝統的な要素を活かした家づくりを今後政府が積極的に打ち出して行く「長寿命優良住宅(200年住宅)」として位置づけていくことまで見据えた室長のビジョンを訊こう。
※木の家ネット2008年6月号に掲載の越海室長へのインタビューもご覧ください。
3 研究者
昔から「柔構造」であるといわれ、「剛構造」の現代の建物とは明らかに違った性質をもっていながら、構造的な検証はほとんど手つかずだった伝統構法。それをここ3カ年で、法律に位置づけると、国は方針を決めた。ようやく緒についた伝統構法の見直しの流れがどこへ行くのか。その鍵を握っているのが、この流れのまっただなかで、伝統構法を工学的に裏付ける立場にある、研究者たちだ。木造の専門家がきわめて少なかった建築構造学の世界で、伝統木造の可能性や工学的性能を検証する草分け的な存在であり、これから伝統構法を法律に位置づける裏付けとなるような実験・研究を行っている最前線の研究者が3人が、揃い踏み!
鈴木祥之先生 (元・京大防災研)
限界耐力計算による伝統木造建物の設計マニュアルにまとめ、伝統構法を性能規定ルートで合法的に建築できる道を拓いた。伝統的手法を用いた京町家の耐震改修法の検討、伝統構法の建物の実物大振動実験台の実績もあり、伝統構法関係者の期待も大きい。
大橋好光先生(武蔵工大教授)
建築基準法の仕様規定の中に「土壁告示」ができたのは、大橋先生が熊本大学に居た当時に実験の成果。建築研究所の研究者とともに、基準法の伝統構法関連の改定にあたっては常に中心的なところにいる人物。「古いからいいのではない、古くていいものと、よくないものとを分けるべき」と。
山辺豊彦先生(山辺豊彦構造設計事務所)
国交省木造住宅振興室からの依頼で、住木センターでの伝統的建物の構成要素を構造計算に載せるためのデータベースづくりを監修している。木の家ネットの多くの若い大工たちが学んだ「大工塾」でも指導にあたっている。
主催
これからの木造住宅を考える連絡会(これ木連)
構成メンバー
財団法人住宅産業研修財団優良工務店の会
職人がつくる木の家ネット
特定非営利活動法人伝統木構造の会
有限責任中間法人日本曳家協会
特定非営利活動法人日本民家再生リサイクル協会
特定非営利活動法人緑の列島ネットワーク
問合せ・申込み
これからの木造住宅を考える連絡会 事務局
(日本民家再生リサイクル協会内、担当/金井)
電話 03-5216-3541
FAX 03-5216-3542
メール info@minka.jp


