伝統構法(上)と在来工法(下)の構造模式図
家づくりにかかわる大事な法律として「建築基準法」というものがあります。これは、建築物の用途や構造、設備などに関する最低限の基準を定めて、国民が安全に日常の生活を送れることを目的とした法律です。第二次大戦後の昭和25年に制定されたものです。 戦後の復興から、それに続く高度経済成長期。経済効率を優先するという時代の要請に合った形で、建築基準法では、それまでの木造の軸組構法を簡略化、マニュアル化した基準を定めていきました。その間、北米から輸入されたツーバイフォー工法などにも法律的な位置づけが与えられ、多様な木造の形が日本の中に混在するようになったため、この簡略化された木造軸組構法は、もともと日本にあったもの、ということで「在来工法」と、そして、建築基準法で簡略化されてしまう以前からあった本来の木造軸組構法は「伝統構法」と呼ばれるようになりました。 伝統構法の子でありながら、基準法に育てられた在来工法は、さまざまな点において、実の親の伝統構法とはかなりちがったものになっていきました。木と木は、簡単な仕口で接合されるため、接合金物が必要となってしまう。柱と柱の間には、ななめの筋交いで耐力壁をつくることが義務づけられる。そのことによって、それまであたりまえであった木造技術、つまり、木と木が互い違いにがっちりと組み合う木組みの架構、昔からあった貫と土塗り壁、板の落とし込み壁などは、その性能を確認がされてこなかったこともあって、実際の技術としては存在していても、法の中には位置づけられないものとなってしまったのです。
私家版仕様書研究会が平成13年度耐力壁JCに 出場した格子壁2..5トン。以上の力に耐えた。