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木の大らかな空間で一日を過ごせるデイサービス 「のんびり家」に泊まった翌朝、佐藤さんが設計した鳴門市撫養(むや)の「あい愛診療所」を訪れた。内科の外来と在宅診療・訪問看護、そして、通所介護(デイサービス)の組み合わせで「病気や障害があっても、お年寄りがなるべく住み慣れた家で過ごせることをめざします」と小川裕子院長は語る。 デイサービス棟に入ると、講堂のような、木造の大空間。訪れた日は大雨だったが、日射しが燦々と入る空間であることが容易に想像できる。お年寄りがスタッフ手製の大きなすごろくを囲み、楽しんでいた。椅子や車椅子の人もあれば、床に直に座る人もある。杉の床はじんわりとあたたかった。壁にはお年寄りの作品が張られ、入り口とを仕切るガラス格子の引き戸は、腰から下が杉板。昔の小学校のようだ。「がっこ行く、と言って来るお年寄りも多いですよ」と、先生。 訪れる人の体調に合わせた工夫もある。屋根が低く下がる通り面に、畳敷きでひとりひとりが横になることのできる、腰掛けの高さの畳ベットがある。ちょっと疲れたな、というお年寄りが、みんなの活動や通りの気配を感じながら休息できる。 病気だけでなく、気持ちまで癒される空間 風呂や食事室、リハビリ室ともワンフロアで、無理なく移動ができる。中通路で診療所にもつながっている。木の香りのする診療室は、病院にありがちな医療器具の並ぶ殺風景な部屋ではなく、やさしい校長先生の部屋、といった雰囲気だった。病気の乳幼児の一時預かり事業も実施しており、子供の声が聞こえることもあるという。 「設計期間中は大変でしたよ!毎朝先生から、こんなこと考えたんだけど、ってFAXが来てね・・」細かな要望に、佐藤さんが柔軟に対応しながら積み上げ、完成したのが、この診療所。女性同士で実らせた仕事だ。「こんなところに自宅から通えるお年寄りはいいなあ!」と思える空間だった。木の家づくりが福祉施設にまで広がっていくことを、心から願っている。 有限会社 佐藤建築企画設計 徳島県徳島市の設計事務所。詳しくは自己紹介ページへ 。
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