topページへ つくり手インタビュー
   
勝又左官工業所 勝又久治さんに聞く
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あたりまえの「土壁」があたりまえでなくなってきて・・・
やっぱり日本の風土には土壁が一番
やっぱりね、日本の気候は湿気が多いから、土壁は日本人の生活に一番合っているんですよ。土壁は、じめじめした梅雨時には湿気を吸い、乾燥する冬には潤いをもたらしますからね。木と土壁の家に住むのがいちばんいいんです。
だから、日本の民家は昔から、主に木の構造と土の壁でできていた。どこでも手に入る自然素材で、風土に合った家を建てる、そんな知恵が生きていたんですね。あたりまえに。
阪神大震災でも、ちゃんとつくられた家は、ちゃんと残っているよ
阪神大震災で土壁の家が崩れたように報道され、昔からの木組、土壁の家は構造的に弱い、ということにされてしまいましたが、実際には、しっかりつくられていたものは震災でも崩れなかったですよ。
木舞の止めをきちんとしないでパタパタと塗ったような家がダメになったんです。そういうのはほどんとが、戦後復興のドタバタの時代に建った長屋でしょう? 簡単につくられているんですよ。それが崩れたからといって「土壁はだめだ」という評価になってしまったのが残念です。
しっかりとつくられた土壁は地震にだって強い、ということがまだきちんと証明されてはいないいんですよね。木の家ネットのメンバーがつくる家が実績となって、少しずつ見直されていくといいですね。
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あたりまえだったことが、むずかしくなってしまった
ところが、この「あたりまえだった」土壁をやろうと思うと、土、竹、藁など「そのへんにいくらでもあった」ような材料の調達が、今ではなんともめんどくさい。都会で土壁をやろうと思ったら、遠くから材料をもってくるようになるでしょう?だから、かえってコストがかかる。
そうなってくると、土壁の家を建つためには、お施主さんのコスト管理をする設計屋が、きちんとお施主さんを説得することが必要になってくるんです。実際に、土壁でやりたい、という相談はかなり多いんですよ。でも結局、見積もりを出すと「こんなにするのか、じゃあ、やめた」となってしまうんです。気持ちはあってもお金の問題でできないんです。
塗り壁をダメにしたのは、実は自分たち左官でもあるんですよ。従来通りの土壁や漆喰壁を塗れる職人はたくさんいるのに、やらなくなってしまったんです。30年前頃からですね、そうなっていったのは。手軽で扱いやすい繊維壁やプレミックスの材料に流れてしまったからです。そして、効率重視の風潮がますます強まっていった。つまり、自分たちで土壁や漆喰の仕事をなくしっていってしまったわけ。今はもう自分で土を混ぜることもなく、木舞をかくこともなく、ありものを買って使っている。まるで材料屋さんにご奉仕しているようなものです。
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設計士が施主を説得できるかどうかにかかっているね
個人の家というのは限られた予算の中でつくるわけですから、土壁にすることによって余計にお金がかかるとしたら、なにか削らなくてはできない。
今やっている長谷川敬さんの現場では、お施主さんがOMソーラーを諦めて、土壁をとったんですよ。大きな決断ですよね。長谷川さんが土壁のよさをお施主さんに納得させることができたからこそできたことです。

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土壁づくりのワークショップ 壁塗りを体験している参加者たち
       
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