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さて、このような台風被害があると、国は、被害を受けた山に対して、折れたり曲がったりした木を整理して、山をつくり直すようにということで復旧補助金を出します。ふだんが伐出経費も出ないような情況ですから、補助金を使えるうちに、皆こぞって伐ることになる。折れて使えない木もたくさんありますが、中には市場にまわるものも出ます。市場では、需要もないのに供給が増えることになるので、木の値段はますます下がります。一見台風被害を受けていないように見える木でも、挽いてみたら内部割れがあるものも少なくない。「使えないのも混ざっているんだろうから」ということで、値段はますます下がる。せっかくの山を立て直すための補助金なのに、かえって原木価格、立木価格がかえってどんどん暴落するという悪循環が実際には生まれているんです。
TS材は、それを使う人に直接買って頂く「産直」なので、市場経済に依存していないのかというと、そんなことはないんです。山から出た材の5割は原木市場行き、2割は製材工場への直接売り、産直のTS材として使えるのはたった3割です。ということは、家1軒分のTS材を出すには、その3倍の原木を伐採するんです。TS材の売上と、原木市場の売上との合計で、なんとか伐出賃金や次の造林・育林費用が捻出するのです。ところが、7割の木が行く先での価格が、暴落しているんです。表を見ていただけると分かりますが、今、原木市場、製材工場に出て行く木の値段をすべて平均すると1立米あたり約2万円。平成8年頃の半値です。1立米あたり平均3万円はいかないと山の再造林費は出ないので、最近では徳島でも半分ぐらいは再造林せず、ほったらかしの山が増えました。木材は自然素材で何十年も生育期間があるので、古い木ほど欠点材(曲がり、色黒、腐り)の比率も多くなっていくので、ほうっておいていいことはないんです。特に今は、高樹齢だからといってそれに見合う値段がつくような情況でもないですし。うちの山では伐採量を半分ぐらいにして何とか再造林しています。どんどん大変になっていくのを実感しています。
| 行き先 |
割合 |
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平均価格(1立米あたり) |
| TS材 |
30% |
80年生、良材 |
20,000円〜30,000円 |
| 原木市場 |
50% |
80年生 |
10,000円 |
| 製材工場 |
20% |
芯去柱用 (40cm〜) |
30,000円 |
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小径木 (14・16cm)※ |
13,000円 |
| すべての平均(平成17年現在) |
20,000円 |
| すべての平均(平成8年) |
40,000円 |
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1立米とはどれくらいの量なの?
たとえば10.5cm角の柱をとるのに適した、末口直径16cmの丸太(表中の※のランク)だと、長さ4mのもの10本分(つまり柱10本分の原材料分)にあたります
。
原木市場や製材工場に出しても造林費用すらまかなえないような情況の上にに、山そのものにも台風被害があってよい材を得るためによりたくさん伐らなければならないとなると、家1軒分のTS材をつくるために必要な経費はどんどん跳ね上がっていってしまうんです。でも、そうした情況があるからといって、むやみにTS材の値段を上げるわけにもいかないでしょう?
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