伝統構法についての共有認識事項
提案書

伝統的構法の設計法作成および性能検証実験 委員会 関係各位殿

現在進行中の伝統的構法の設計法作成および性能検証実験 委員会では、大変お世話になっております。早いもので委員会も一年が経過し、新年度が始まりました。木の家ネット有志一同は、実務者としてこのような意義のある委員会に参加できたことを大変感謝申し上げております。

おかげさまで、私達はこの一年の間に、実大振動台実験の実施や各委員会での議論に参加させていただき、多くのことを学ぶことができました。同時に、これまでの経過を踏まえ日頃より伝統的な家づくりに関わる実務者として、さまざまな思いが交差し始めてまいりました。

たとえば伝統構法の家をつくる人々にとっては、構法の検証と同じように産地や職人や住まい手などの地域づくりにもつながる、社会的な仕組みを含めたさまざまなバランスが大切なのではないか・・等など

そこで、これからの委員会の議論を深めていくためには、委員ならびに関係者の皆様との伝統構法についての共通認識が必要な時期に来ていると感じております。

もちろん伝統構法についての議論は、今後も委員会の中でさらに深める内容であると考えますが、今回提出する提案書は、木の家ネット有志一同が実務者として、日ごろから考え実践している伝統構法について、これからの日本の家づくりを進めるうえで、未来につなげていきたいと考えている大切な要素を出し合い、共有できたいくつかの事柄です。

残り少ない委員会の進行の中で、ぜひ議論の場を作っていただきたいと考えております。

以下に、私達が考える伝統構法についての共有認識事項として提案書にまとめました。今後の検証ならびに委員会の審議事項として取り上げていただき、本提案書が、各委員の方々の共通認識として、これからの審議のお役に立てば光栄です。

2009年5月吉日
職人がつくる木の家ネット
代表 加藤長光

(仮)伝統構法についての共有認識事項

(1)伝統構法で建てられた家は、地球環境に適合する

(2)伝統構法の建物は、長寿命である

(3) 伝統構法の家は、保守管理や維持管理がしやすい

(4) 伝統構法の家は、再生・移築が可能である

(5) 伝統構法の家は、段階的に安全に対処する

(6)伝統構法の家づくりは、大工技術として体系化されている

(7) 伝統構法の家づくりは、地域づくりにつながる

(8) 伝統構法の家は、気候風土に根ざしている

(9) 伝統構法の家は、美しい景観を創出する

(10) 伝統構法の家づくりを実践することで、成熟した社会をつくることにつながる

以上