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「職人がつくる木の家」づくりを未来につなげるアンケート


アンケート
職人がつくる木の家を建てるにあたって、それを難しくしているもの

木の家ネットでは改正基準法再改正を求めていくために、12月1日より公開アンケート調査を行ってきましたが、2009/12/18(金)をもって締め切らせていただきました。回答項目数800近くの応募をいただきました。ありがとうございました。

日本の職人技術として連綿と受け継がれて来た木の家づくりに、法律上、正統な位置づけが与えられていないために、現実に家づくりをしようとすると、さまざまな場面で法律の壁にぶつかってしまいます。

今の法律で想定している木造軸組住宅とは、在来工法といって、「金物」「筋交い」「合板」「コンクリート基礎」「集成材や新建材」など、戦後の技術体系、設計思想にもとづいています。一方で、それ以前からある伝統的な木の家づくりは「木組み」「貫・土壁」「石場建て」「無垢の木」と、現代のつくり方とはまったくちがっています。現代工法と性質の違う伝統の家づくりを、現代工法の基準で判断すること自体に無理があり、それが「法律の壁」をつくってしまっているのです。

伝統構法 在来工法
伝統構法
柱と柱の間を「貫(ヌキ)」という横板が通り、柱との交差部分は、木組み。桁と梁も、交差して組み上げている。
在来構法
木組みを簡略化。金物を使って木と木を固定し、さらに斜めのつっかい棒である「筋違い」を入れて補強してある。

前原国土交通省大臣は政権交替で大臣に就任して早々に、「改正基準法は、確認審査の迅速化、書類の簡素化、厳罰化という方向で再改正したい」と意思表明しています。それに向けて、今度こそ、木の家づくりがしやすくなるよう、障害となっている点についてアンケート調査を実施しています。

大工さん、工務店さん、設計士の方はもちろん、製材、林業関係者、木の家づくりをめぐるさまざまな職人さん、そして、木の家づくりをするにあたって法律の壁にぶつかって苦労された住まい手の方からのご意見を募集します。

再改正で伝統的な木の家づくりが正統に評価されることを希望しながら、みなさまのご協力を、お願い申し上げます。

「日本は木の国」なのに、
戦後、木の家づくりが減ってしまった

日本は木の国です。人は昔から、近くの山の木を伐り、木の家をつくり、住んできました。木の家をつくってきたのは、木の良さを最大限に引き出す技術を、棟梁から棟梁へと受け継いで来た職人たち。木の性質に応じ適材適所の判断をしながら、一本一本の材を手刻みで加工し、金物を使わない「木組み」の技で、丈夫で長持ちする家の構造体を組みあげます。それに左官職人が土を練って壁をつけ、瓦や草などで屋根を葺いて仕上げられた木の家は、何世代にもわたって住み継がれてきました。長い年月を経て今なお日本各地に残る民家や町家、神社仏閣はみな、こうした職人技術と自然素材とでつくられてきました。

ところが、日本では長いことあたりまえであった「職人がつくる木の家」づくりは、戦後、急速に減少していきます。今や「木の家」といっても、ツー・バイ・フォー、パネル住宅、在来工法など、集成材や新建材を使い、プレカット工場で加工した材を金物で組み立てる家づくりが主で、「日本らしい風景」を形作ってきた、新建材や金物を使わず、無垢の木を職人技術で組み上げる「本物の木の家づくり」は、「伝統構法」とか「伝統的工法」と呼ばれる特殊なものとなってしまいました。

本物の木の家づくりは「手をかけること」
それができなかった戦後復興&高度経済成長期

なぜ「本物の木の家づくり」が減ってしまったのか? 一言でいえば、それは「手間がかかるから」です。一本一本違う木を触って、個別に対応し、手で刻む。金物を使って簡単に接合するのでなく、大工の技術でしっかりと組み上げて行く。何度か塗り重ねる土壁が乾く時間を待って、次の工程に進む。いずれも、大工の確かな目と手の技術、そして時間をかけてはじめて成り立つものです。

戦後の復興期には、家を建てようにもまともな木もなく、技術をもった職人も不足しており、まともな木の家づくりはできない状態であったため、しかたなかったかもしれません。しかし、復興期を脱して高度成長期に向っても、元の木の家づくりの流れに戻ることはありませんでした。

というのは、住宅産業が興り、家づくりそのものが大量生産、大量消費の流れに?み込まれ経済効率を最優先させるようになっていってしまったからです。結局、復興期にあっても、高度経済成長期にあっても、一棟一棟、コツコツとつくりあげる「職人がつくる木の家」は、主流とはなりえなかったのです。

復興期につくられ、高度経済成長期に改訂を重ねてきた建築基準法では、「伝統構法」や「伝統的工法」の存在すら、言及されていません。建築基準法ができて65年。気候風土に調和した美しい日本の町並みは失われ、どこに行っても同じような、無秩序な風景に取って代わられてしまいました。

社会が成熟期を迎え、
見直される伝統の家づくり

しかし、だからといって、本物の木の家づくりが、消え去ったわけではありません。細々とではあっても、地方の小さな工務店や大工を中心に「職人がつくる木の家」として、受け継がれて現在に至っています。この「職人がつくる木の家ネット」に集まっているのは、そうしたつくり手たちです。

そして、高度経済成長期を過ぎ、社会が成熟期に向おうとしている今、フローからストックへ、消費型社会から循環型社会へ、自然破壊から環境との共生へと人々の指向がシフトしていこうとしています。

「すぐに住めなくなる家でなく、長持ちする家を」「すでにある社会的ストックを大事にしよう」「環境負荷の少ない家づくりを」「世界に誇れる美しい日本の風景、まちなみを大事にしよう」といった考え方がようやく浸透し、「伝統構法」や「伝統的工法」とよばれる本物の木の家づくりも、単なる過去の文化遺産としてだけでなく、未来への可能性をもつものとして、注目を集めはじめているのです。最近は国会の答弁でも、「伝統構法を守る」ということが討議されるようにまでなってきました。

法律が「職人がつくる木の家」づくりを
しにくくしている点を、改善しよう

ところが、こうした「職人がつくる木の家」づくりをしようとすると、戦後復興期、高度経済成長期といった、木の家づくりを顧みなかった頃に成立し、成長してきた建築基準法やほかの法律が障害となって立ちはだかるのです。

特に、耐震偽装事件への対応として2006年に「改正基準法」が施行され、厳格な運用がなされるようになると、「伝統構法」や「伝統的工法」は、もともとその本来の性質が法的に正しく位置づけられていないために、まともにつくろうとすればするほど、法律違反になりかねないという矛盾した事態に直面しています。

このアンケートでは、そうした現状を、つくり手のみなさんや住まい手のみなさんから多く吸い上げ、基準法はもちろん、関連する法律全般にわたって「職人がつくる木の家には、こういった規定はそぐわない」という意見集約をしたいと思っています。これまで「伝統構法」や「伝統的工法」が想定されてこなかった、疎外状況を脱けだし、こうした家づくりの本来の性質に合った法的な扱いがなされていくよう、求めていきたいと思います。

「中間報告」のページには、2009年11月14?15日に行われた職人がつくる木の家ネット第9期総会で実施した予備アンケート、および、「職人がつくる木の家」の住まい手のみなさんに寄せていただいたアンケートの集計結果をのせています。それも参考にしながら、みなさんも、ぜひアンケートにご回答くださるよう、お願いします。


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