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野村たかあきさんという版画作家による「ばあちゃんのえんがわ」という絵本があります。おひさまがぽかぽかの縁側にばあちゃんが登場、つづいてお嫁さんがお茶セットをもって置いていきます。裏のじっちゃんがやってきて縁側に腰掛けて一杯お茶を飲んでいく、むこうの家のこどもがばあちゃんの薬を届けにくる、まごがばあちゃんの膝にのりにくる・・・。そんな情景が淡々と描かれています。
一方、上田篤「日本のすまい」には、息子夫婦が新築した明るい洋風住宅に移り住んだおばあさんの話が書かれています。
・・・おばあさんはいう。むかしの家にはみな縁側があったので、としよりは縁側にすわって、針仕事をしたり、孫のお守りをしたり、また庭にではいりして、一日をすごすことができた。さらに縁側にすわっていると、通りがかりの人びとの様子をよくみることができる。近所の人とも挨拶できるし、たまには、縁側に腰かけて話しこんでいってもくれる。雨がふれば障子をしめればよし、お天気になれば障子をあけたまま昼寝をすることもできる。縁側はとしよりにとっては安全で、しかも快適な場所だった。そういう縁側のない新しい家は、としよりにとっては不便で味気ないものだ。
その続きをかいつまんでいうと、息子がその家のモダン・リビングにテレビを買ってくれたこと、おばあさんにしてみれば「ひまつぶしにはなるけれど、しゃべり相手ではないからやっぱりさみしい」とこぼしていることなどが、書かれています。
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