03 接合部

担当:宮越喜彦(木住研)

木と木の接合部の正当な評価をし活用できる仕組みの整備を

1. 金物使用の前提の接合には疑問

柱や梁、桁などの接合部(継ぎ手や仕口)についての規定が建築基準法の施行令や告示にあります。その基本的な考え方は金物で補強することを前提としています。最近の木造住宅が金物だらけになっているのはそのためです。しかし、実際に木を手にして、その癖を読み、墨付け刻みを行っている大工棟梁たちの回答はそれに異議を唱えています。これはどういったことでしょう。

木と金物は相性が悪いことへの指摘は、耐久性ばかりでなく、構造的な欠点にもなりかねないというものです。これは建築中の現場や解体、改造中の現場に行けば誰でも分かることで、実際の現場を知ることが重要というものです。基準はそういった考えと別の次元のところで作られているということなのでしょうか。しかたなく基準に従うしかないという状況も垣間見えます。

築100年を超える民家や町屋などから学んできた木を活かす技術が、どうも現在の基準の中には反映されていないようです。異常な金物工法の考えは改善する必要があり、木と木の接合を評価し、使える仕組みが求められています。

① 金物使用の前提の接合には疑問

建基法では金物使用が前提となっているが、数年後、数十年後の状態を知るべきである。
ビスやボルトに頼って数世代に渡って住まわれる家造りができるのか疑問である。
100年後、200年後はどうなっているだろうか。
木の建築で金物の多用は長期的なスパンでは危険である。

② 金物は材木を傷つけている

補強金物といっても材に穴を開けすぎ。
耐震金物はビスを集中して打ち込むので構造材に割れを生じてしまい、材を弱めているのではないか疑問。
国産針葉樹の製材品では木の繊維を傷めるだけで効きが悪く、不向きである。外材や集成材向き。

③ 現実にはしかたなく金物を使っていることもあるのだが

施工者に技術がなくても金物にたよれば検査に通ってしまう。しかし検査員の知識、技量が伴っているのかは疑問。
不要な金物は使わない方が健全である。
N値計算をし金物を減らすようにしている。
金物に頼る基準は、木組みの技術を奪うことになり、かえって手抜き工事の要因になるのではないか。

2. 理に適った木組みの技術


民家の小屋組みに打たれた栓の仕口は非常に固く組み合わされている。
架構体に一定の強度が確保されていれば、柔軟性のある木組みの接合部のほうが木造には適当である。
建物を解く、あるいは再利用すると言う場合にも木組みの技術は理に適っている。金物を使い建設当初の強度のみを第一義に考えることには問題がある。
接合部はなるべく作らないほうがい。12m以下の長尺材を使っている。

3. 木組みを生かす方策

① 木と木の接合部の正当な評価が求められる

 
何百年も建っている建築物をもっと研究すべき。
木が持つ本来の柔らかくて粘るという接合部の考え方を評価すべき。
大工によって培われてきた木の技術における性能の評価が必要。
金物に頼らない木組みの技を広め、育て、継承すべき。
木と木の接合を普通に使えるようにしてほしい。

② 木組みのデータベースの構築が急務

木による継ぎ手、仕口の仕様を確立し、金物に頼らなくてもよい方法を考えるべき。
割り楔、鼻栓の評価がない。
長ホゾ差しの仕口の評価も必要。
伝統構法による接合部を検証し、評価してデータベース化すべき。これは国の責務として行なうこと。

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