06 防火

担当:林美樹

木の家を建てたい、もっと木を使いたいのに木が使えない!

この項目では、木の家づくりを望む立場から、現在の防火に関する法規によってどんな問題が起きているのか、どこに問題があるのかということを指摘する回答、また具体的に防火規制のどの部分で困っているのかを述べる回答の二つに大きく分かれます。具体的な回答は、作り手からのものが殆どで、要望や提案なども多く含まれています。

1. 防火規制による問題、あるいは
 木を使いたいのに阻害要因となっていること

① 防火規制によって景観や環境問題へ影響がある

サイディングの家は古くからある伝統の街並の美観を損う。(住み手)
サイディング、プラスターボードの家はゴミ問題をつくる。(住み手)
※防火規制の専門的な内容に比べ、これらは一般の住まい手の方からの意見です。

② 防火に関する法体制に問題あるので改善をしてほしい

燃え代設計などで使える範囲を広げ、木をもっと使いやすくしてほしい。
消火設備と防火の仕様をセットで考えられないか。

③ 「木材は燃えやすい」というのは誤った認識である

木材は厚さがあれば、炭化してそれ以上は燃えない。
→ 表面が燃えても火が内部に入らなければ良いのではないか。

④火災時の死亡原因は有毒ガス。逆に木の方が安全

PB+ビニールクロスの方が木の内装より危険
ウレタン断熱材シアンガスの方が木が燃えるより危険

⑤防火、防災は建物だけではできないことなのでは?

建物を規制するだけでなく、人の教育が大切(学生)
→ 住民が使える消火システム等の整備が重要

2. 具体的に防火関連法規のどの部分によって
 どのように困っているのか

燃焼実験により、軒天を厚板で現しにすることができるようになったなど、改善されたと思われる点もあるが、まだ以下の点が不自由。

① 集団規定(防火、準防火、法22条地域)によって木の家が建てにくい

周囲の状況など個々のケースで考えてもらえないか
22条地域の準防火性能は厳しすぎないか

② 外壁や内壁に木が使いにくい、プラスターボードやグラスウールは使いたくない(多数回答あり)

木の家に材料としてそぐわないし、環境にもよくない
22条地域では仕様規定は外壁だけで良いのではないか。以前はそうだった。
→ 燃え代設計で、外壁を板張りとし、内部のPBをなしにできないか
→ 内壁を木にする場合、グラスウールを使いたくない。厚板30なら不要では?

③準防火地域で木製建具が使えない(多数回答あり)

延焼の恐れのある範囲の開口部は防火戸としなければならないため、木製建具が使えない
アルミサッシより木製建具の方が火や熱に強く、防火性能は高い
→ 木製無垢材の扉でも防火戸として認めて欲しい
→ 外壁と同仕様で防火戸とならないか

④火気使用室の内装制限で木が使えない

火気使用室の内装制限は実情にそぐわない
石膏ボードばかりの部屋になってしまう
薪ストーブ、コンロの内装制限が緩和されたが、条文がわかりにくい。

⑤排煙設備は伝統的木造住宅には不要なのでは

200㎡以上の住宅に排煙設備が要求されるが、伝統的木造にはそぐわない
伝統的なつくりの住宅では、煙に巻かれる前に逃げられる

全体としては、単純に木は燃えやすく防火性能が低いものとして扱わないでほしい、防火の法規を見直して、木の性能を検証し、木の家づくり、内外装木の仕上げが使いやすいように改善して欲しいという意見に集約するようです。
それは質感としての魅力と共に、木を使うことは、美しい街並をつくり、山や森を守り、私たちの健康や命も守ることに繋がるのだ、という思想が根底にあるのは云うまでもありません。

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