16 これからできる設計法

大きな転換点に立つ「伝統構法のこれから」に
木の家ネットから提言する。

現在、国が進めている「伝統的木造住宅の実大実験検証および設計手法の開発」に対する意見は、時宜を得たテーマでもあり、約70項目もの回答が集まりました。
中でも伝統に学ぶ姿勢を望む声や、設計法の開発に時間をかけた上で、柔軟な運用を望む声が多く、期待するよりも懸念する声が多いようです。

1. 伝統木造は新しい視点で位置づけるべき

①広く国民に問うべき構法である。

②歴史文化および気候風土、地域性を大切にするべきだ。

②伝統木造は、決して特別なものではないと教えるべきだ。

・先人の教えに学ぶことが大切。
・特別な建物ではなく普通の家として建てられてきたのだから、普通に建てられるようにして欲しい。

2. 伝統木造は環境に適合した家として位置づけられるべきである

①地球温暖化に対して負荷をかけない家づくりである。

ごみ問題が少ない、経年変化を楽しめる、室内の空気間が違うなど、伝統木造には優れた点が多い。

②伝統木造で公共の建物を建てることが、教育につながる。

・伝統木造のよさを教育の現場で教えることができる。
・優秀な学生がハコモノ超高層の建物に興味が行くという気風から変えるべき。

3. 伝統構法の検証には時間をかけて欲しい

①簡単に検証できるとは思えない。

・現在の検証期間3年は短すぎる。
・検証する側の人選が良くない。

②設計法開発後は柔軟な運用などの対応を求める。

③検証や設計法開発後も継続的研究や更新を望む。

④能力のある人を認めるという仕組みも必要。

・マイスター制度の導入。

4. 設計法開発に対する懸念

①力を流す構法と設計方法であって欲しい。

・木は柔らかくしなやかに変形を許容するのだから、木の特性でもある靭性を考慮して欲しい。

②限界耐力計算法の運用をスムーズにして欲しい。

・そのためには、ピュアチェックからはずすことを望む。

③石場立てを検証すべき。

・大地震が起こった時に足元を止めないほうがいいのか?
・歴史的に見た石場建ての実態も調査すべき。
・古民家の修理報告書などの文献調査が必要と考える。

④規定のつくり方や運用には注意すべき。

・ガチガチの構造と規定では性能を生かせない。
・設計法の認める範疇が狭いのでは困る。
・複雑な計算方法も困る。簡易な設計法を望む。

1600年以上の歴史を持つ伝統構法。そう簡単に検証できるとは思えません。じっくりと時間をかけて、まさに日本の伝統として位置づけて欲しいと思います。

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