17 その他

担当:松井郁夫(松井郁夫建築設計事務所)

カテゴリーに収まりきれない数々の提言。
これが木の家ネットの財産です。

その他の項目であるため、他との重複が見られる。範疇は教育や仕組や環境、審査方法や阻害要因など多岐にわたる。実務者としての資金繰りの苦労からか、金融政策にも言及しているところが木の家ネットらしい。
また、住んでいる方の意見として、古い家に愛着をもって暮らしていることがわかる。

1. 伝統構法の継承のためには
 教育や育成に力を入れることが望ましい。

① 小・中学校から住教育を始める。

・例えば、伝統的な技術や、文化、環境的視点を学ぶカリキュラムを盛り込む。

② 大工育成の仕組みを行政と一体になって進める。

・熟練の職人から学ぶ、国土交通省が進める大工育成塾などのさらなる展開を望む。

③ マイスター制を導入し、職人の地位向上に努める。

・職人の組織化を図り、地域社会との関係を再構築する。
・歴史的な町並みを保全することによって、伝統を大切にする気持ちが生れる。
・歴史的街並みのそぐわない、外観や素材を規制する必要がある。
・わたしたちは日本の伝統を未来につなぐ義務がある。
・日本の伝統は日本人が守らなくてはならない。

2. 職人がつくる木の家には、金融施策にも独自な仕組みが必要

・建設資金の支払いに配慮した総合的なローンが必要。
・例えば、建設期間の長さや人工の多さに対応できるローンなどの開発。
・長期の工事期間を補足するためには、中間金のつなぎ融資が必須となる。

3 . 伝統構法でつくられる家は環境的に優れている

・地場産材の活用によって地域づくりに貢献する。
・自然素材が、室内環境を健康に保つ。
・廃棄物の少ない工事現場である。
・長寿命の家は、環境負荷も少ない。

4. 伝統構法の審査方法についての提案

・限界耐力計算法をピュアチェックから除外し、主事が確認をおろせるようにする。
・多くの費用や日数がかかりすぎ。
・伝統構法は基準法から区別して審査する。
・構法による二元化を法律で認め、審査や設計も基準法と区別する。
・問題は伝統構法の定義や線引きが困難かもしれない?
・細かな数値化による弊害が起こり、融通の利かない審査の原因となっている。

5. 住まい手は古い家に愛着を持って暮らしている

・古い家のつくり方を理解し、満足している。
・開放的なつくりが良い。
・石場立てで床下通気が良い
・木組の力強さを感じて暮らしている。
・困るのは近くに古い家のことを相談できる専門家がいないこと。(シロアリ対策に苦慮)

6. その他もろもろの阻害要因

・耐震改修に費用がかかり過ぎる。
・無料改修は無理か?
・居住性(断熱)と設備との取り合いを含めた構造設計が必要。
・小屋裏の防火隔壁は必要か?
・小屋裏利用の緩和措置が必要。実情に合わない。

さらに、意見をまとめることが必要と感じる、今回のアンケートの整理でした。

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