1 2 3

新代表 大江忍インタビュー これからの「職人がつくる木の家ネット」

Pocket

ひとつひとつについて、大江さんに大いに語ってもらいましょう!関連コンテンツをご紹介しながら、進めていきますので、ぜひ「横跳び」して木の家ネットのあっちこちに寄り道もしてみてくださいね!

1. 自然や人と調和して生きることを広めていく

大江 家づくりとは、自然の中に人が住まう境界をつくることでもありますが、木の家ネットでは、自然と人、人と人とを隔離するのでなく、融和し合うような、調和的な価値観を広めていきたいと思っています。

ヨハナ 寒冷な気候のヨーロッパでは、家とは厳しい外界の環境から人を遮断して守るシェルターであるけれど、より温暖な日本では、もっと家と外の自然とのつながりがありますよね。縁側に座って、庭木で遊ぶ鳥を見て楽しむ、みたいな。外で雪が降っている時でさえ、雪見障子!ですものね。

大江 ヨーロッパの家は石造りで、窓もできるだけ小さく作られてきましたが、日本の家は元来木造軸組であり、壁はなくてもいい。外界とは基本的につながっていて、障子や掃き出し窓程度でとりあえず仕切っているだけなんです。

ヨハナ むしろ、自然とのつながりの中にこそ、暮らしがあるんですよね。

大江 自然と人との関係と同じことが、人と人との関係にも言えると思うんです。「人間さえよければいい」「自分さえよければいい」というのでない「自然に感謝」「共存共栄」といった価値観に、これからますますシフトしていくと考えています。

ヨハナ 家づくりもそうですよね。市場経済の中のひとつの職種としてとらえてしまえば、そこには競争原理がはたらき、経済効率再優先となってしまいますが、そうではない面が、本来の家づくりを成り立たせているはずです。

大江 競争原理の経済行為として家づくりをとらえれば、つくり手は一円でも安く作って高く売ろうと、住まい手は良さそうな家を一円でも安く値切って買おうと考えるでしょう。しかし、そのようにしていい家づくりはできません。つくり手は住まい手にとって、よいものを作る。住まい手は、そんなつくり手のはたらきに見合った対価を、気持ちよく払う。お互いの信頼関係にもとづいた、心の交流が、家づくりには必要です。職人と施主との関係は、本来そのようなものなのです。

ヨハナ ・・ということを世間に広めていく!と。みなさんのお仕事を通して、と同時に、サイトでも、読んでいるみなさんに伝えていかないとですね。はい、分かりました!

ec_1007
2010年7月28日

きらくなたてものやチーム:家づくりを自分の手に!

ec_1202
2012年2月20日

「原発はいりません」宣言

ec_int25
2006年11月26日

大工・池上算規さん(大工 池上):長崎県産材100%の家ができるまで

ec_smex02
2008年9月1日

建前から見えた家の姿

2. 石場建てをはじめとする「伝統構法」ができるようにしていく

大江 日本の気候風土になじみ、原風景をなす和の建築は「伝統構法」とよばれる職人技術で作られています。千年以上もの長い間伝えられてきたその技術は自然との融和的な価値観に基づいていて、その肝は「木のいのちを最大限に活かすこと」にあります。

ヨハナ 技術には、それは木組み・通し貫・石場建て・土壁といった現代工法とはちがった、伝統構法独特の要素としてあるわけですが、質より量、効率最優先の価値観の中、法律的にも不利な立場に置かれていることも相まって、存続が危ぶまれるような状態に瀕しています。

大江 この技と知恵は、むしろ、自然や人と調和して生きていくべき未来に向けて、必要となってくるのものなのです。伝統の復権ということではなく、これまでよいものだからこそ続いてきたことを、現代の都合で絶やすのでなく、その価値を再発見し、生きた形でそのよさを未来につなげていきたいと考えています。

ヨハナ 伝統構法の知恵は、現代建築からみると、ちょっと違った技術体系になります。現代の建築が「新しい道理」で成り立っているのと同様、伝統構法は非科学的なのではなく、伝統構法なりに「古い道理」が通っているやり方であり、その解明が少しずつ進められているわけですが、その中でも、きびしい扱いを受けているのが「石場建て」です。

現代工法と伝統構法との違いを踏まえた上での法整備を望みます!

大江 前ページで詳しくお伝えしているので補足しておきたいことだけ、お伝えしておきますね。石場建ては、ずっと地震国であった日本人の「経験的な知恵」として受け継がれて来た伝統ではあるのですが、じつは、現代の科学で解明されきっていないだけで、これをむしろ、近現代の建築になかった、新しい発想の免震構法と捉え直してもいのではないかと、私は思っているんです。

ヨハナ 建物の柱は、礎石の上に「乗っかっているだけ」なので、地面と建物とは、切り離されており、地震に遭ってもそれぞれが個別の動きをとることができる。こういう考え方って、最新の免震工法といわれるものにむしろ近いのかもしれませんね。

現代住宅にも有効な石場建て

大江 すごく大雑把に言うと、石場建ての伝統構法の建物が地震に遭った時の最初のふるまいは、まず、土壁から落としていく。軸組の間をかためていた土が落ちることで、木組みで組み合っている軸組は、よりしなやかに、揺れては戻る「復元力特性」を発揮。楔や栓といった接合部も飛ばして、さらにシアー変形する能力を高めると、かなり傾いても、元に戻るような動きをとります。それでもどうしようもななくなると、石の上に乗っかっているだけの家の足元は、足踏みをするようにして動く。時に建物が石からずり落ちることもあるかもしれませんが、また乗せ直せばいいのです。

ヨハナ 建物そのものに地震力が入らないようにするという発想なんですね。

大江 ここでも、地震力に堅く耐えるのでなく、いっしょに揺れていっしょにやり過ごそうよ、というような、共生的な価値観が体現されていると思うのです。

ヨハナ あんまり非科学的な表現すると学者さんに叱られてしまいそうですが・・・地震に対する構えにも、自然観があらわれるんですね。おもしろい!

大江 検討委員会での成果が、一日も早く、柱脚を固定しない石場建てを建てる手続きをしやすくなる方向での法整備につながっていくことを望んでいます。

気に入らぬ風もあろふに柳哉(堪忍柳画賛 仙厓義梵 作 出光美術館蔵)
ec_int26
2007年4月1日

設計士・古川保さん(古川設計室):木の家づくりは仕組みづくり

ec_rpt097
2009年12月25日

速報!アンケートの全回答とまとめ

ec_act01
2008年7月26日

このままでは伝統構法の家がつくれない!

ec_dnt05
2005年5月25日

探ってみよう、木の家の「底力」

3. エネルギー消費の少ない家づくりと暮らしの応援

大江 木の家ネットでは、土壁をはじめとする伝統型の温熱環境への理解、薪ストーブやペレットストーブといった輻射暖房の有効性、そして何よりも、エネルギーを無駄に使わないライフスタイルがあることを訴えてきました。今後とも、そのような暮らしを営む自由が法的に許されなくなることのないように、実務者としての意見を表明し続けていきます。

ヨハナ え?「そのような暮らしを営む自由が法的に許されなくなる」って、そんなことがあるんですか?

大江 改正省エネ法といって、家庭でのエネルギー使用量を低く抑えるためにの法律を義務化しようとする動きがあってね。

ヨハナ 義務化っていうのがちょっとキナ臭い感じはするけれど、東日本大震災で原発事故があって以来、エネルギーはもう無駄にできない!ということは誰しがそう思うことだし、家づくりにおいても、寒さ暑さをしのぐためとはいえ、エネルギーを湯水のように使っていいはずはないですよね。内容としてはよさそうな法律・・・じゃないんですか?

大江 この法律のまずいところは、省エネの方法まで具体的に示してしまっているところなんです。しかも、その方法というのが「断熱材をこれだけの厚みのものを、これ以上入れましょう」「開口部は小さくしましょう」「高機能な省エネ型エアコンを使いましょう」という調子で

ヨハナ えーっ、じゃあ、断熱材を入れない土壁は認められないということ?

大江 原案のままでは、そうなりかねない危険性があるため、国交省や日本建築家協会で行う伝統的な土壁工法の建物の温熱環境調査に、木の家ネットのメンバーが多く木組み土壁の家の実例を提供するなどの協力をしています。

ヨハナ ということは、伝統的な工法の場合の温熱環境についての評価もされていくわけですね。ホッとしました。

大江 断熱材をたくさん入れるつくり方でなくても土壁のように断熱材なしである程度の蓄熱蓄冷ができる方法、開口部を大きくとって風通しのいいプランニングなどが認められてしかるべきです。意見していけば、それなりに認められていくのかもしれませんが、黙っていればいつのまにか「土壁だけでは、温熱性能が足りないので、断熱材を入れないと新築できません」といことになってしまうのです。

ヨハナ ものを言っていかなければいけないことが、あっちこっちにあって、大変ですよね。そもそも、暑さ寒さという主観的なことについて「認める」「認めない」という姿勢そのものが、どうなのかなという気もしますよね。

大江 もちろん、いくら個人のお金でエネルギー使用量を払うからといって、ダラダラと無駄遣いすることは、よくないとは思いますよ? けれど、つつましく、むしろ、過剰な断熱材や温熱調整のための余計な家電などを使わないような暮らしをしているという実態があるのに、国がそれに対して介入してくること自体が、個人の暮らし方の自由とか、財産権を浸食しているのではないかという思いもあります。

ヨハナ 基準はどうしてもつくるから、あとは条件闘争でがんばりなさい、ということですか。なんかだ息苦しいな〜

大江 まずは、基準を決める側に居る人たちに、土壁を採用してエネルギー消費も少なく暮らしているというような生活実態があることを、知ってもらうことからやっていこう、とアプローチをしていく動きもでてきています。

ヨハナ まずは、知ってください!そうすれば、規制して切っていくべきものでないことはおのずと分かりますよね?ということですね!

大江 不思議なことですが、この国では、ちょっと前までこの国で当たり前だったことが「異文化」として忘れられていってしまっているのでね。本来の文化の側から、そうでなくなってしまっている文化に対して「異文化交流」をしかけていくようなねじれが生じているのですね。

ヨハナ まあ、やらなければつぶされてしまうのであれば、やっていかなければだし、ぶつかり合うよりは、宥和していく中で分かってもらう方が、早道なのかもしれません。なかなか、精神力が要りますねけどね!

ec_1306
2013年6月17日

木の家ネット 温熱環境調査 まずは知ることから!

ec_1108
2011年8月6日

夏涼しく、冬温かい 木と土の家 をつくる

ec_1006
2010年6月30日

土壁の魅力

ec_vic02
2007年6月27日

つくり手の声:暑さ寒さとつきあう知恵

4. 最小限のエネルギーはオフグリッドで自給

大江 前の項の改正省エネ法への対応ともかぶってくることですが、木の家ネットのつくり手や建て主が実践しているようなエネルギーは無駄に多く使わないで済むライフスタイルを広く知ってもらうことをしていきたいですね。具体的には、陽射しや通風といったダイレクトゲインや、自然からの取り入れられるパッシブなエネルギー恩恵を最大限に取り入れる新旧ひっくるめた技術ということになろうかと思います。

ヨハナ 木の家ネットでは「原発はいらない」と宣言をし、原発に頼らない暮らしを実践するヒントをまとめています。煮炊き、給湯など、電気でなくてもまかなえる仕事は、貴重な電気にはさせないなど、基本的な考え方がまとめられているので、ぜひ目を通していただきたいと思います。それでも、家電製品、パソコン、照明などに、最小限の電気エネルギーは必要となりますよね?

大江 それくらいの使用量を抑えた量の電気ぐらいは、既存の電力会社との縁を切って、オフグリッドで自立的にまかなう電力を使えるようになるといいですよね。

ヨハナ 家庭菜園で育てた野菜が食卓にのるような感覚で、電気を自給自足できるようになるとステキですね!

大江 環境意識の高い建て主さんでも「太陽光パネルを屋根の上にのせて、電力会社に電気を売りたい」という方がいるのですが、これはしない方がいい!せっかく太陽光パネル発電していても、大きな送電ロスをかけながら遠くに電力を売り、夜間には電力会社から買うというのでは、エネルギーの自立とはいえないからです。売電する分、電気代が安くなり、パネル設置の費用が多少元をとれたとしても、現在の原発に頼る電力会社と国とでつくっているシステムを維持していくことにしかならないからです。環境のために、というのであれば、やはり自分で遣った電気は自分で使うというシステムを作って行くしかないでしょう。

ヨハナ 家単位ではなかなかむずかしくても、地域でのエネルギー自給を考え、少しずつからでも実践をしている人が増えていますよね。「原発にたよらない暮らし方」特集では、藤野電力の例をとりあげました。

大江 そのような社会的な実験が、草の根的に、小さな単位で起き始めているのはとてもいいことだと思います。木の家ネットでも、あさひ製材所の鈴木禎一さんは、山の沢を活かした小水力発電を実践しています。きらくなたてものやの日高保さんが活動する鎌倉エリアでは市民の手によるエネルギー自給を考える「エネカフェ」を開催し続けています。まだまだ実際の発電量は少なく、自給と電力会社との「ハイブリッド」にせざるを得なくても、そうした活動を通して、エネルギーに対する自立的な意識が育つこと自体が、とても有効なことと思います。

ヨハナ 田舎海近くの原発でつくる電気を、送電線を遣って遠くの都会まではるばる届け、事故が起きれば、そこの電気を使う人がいない原発立地付近の人がその放射能被害をかぶる。あるいは、被爆しながらはたらく人の存在なくしては、事故収束ができない。しかも、原発があり続ける限り、行き場のない核のゴミを作り続ける。どう考えても、おかしすぎます。

大江 しかも、それでも原発を「国のベースロード電源」と位置づけるような逆行が起きています。理解に苦しみますが、まだまだ市民意識が政治に反映されるようなところまで成熟しておらず、庶民にははかりしれないような利権や既得権益の部分でものごとが動いているのですよ。

ヨハナ チェルノブイリ以降、脱原発へと移行していったドイツでも、脱原発の実現は、たったひとつの小さな村で、電力自給を始める、というところからの、二十年以上かけての地道な努力が、ようやく実ったのです。原発事故が起きて3年経ちましたが、まだ3年、という見方もできます。ゆるやかに、じれることなく、変えていくという粘り強さが必要ですよね。

大江 現在はまだ、太陽光パネルには莫大な製造エネルギーがかかったり、せっかく発電してもそれを蓄電するバッテリーの技術が追いついていない状態です。風力発電は巨大な建造物となるため、環境や景観へのダメージも懸念されます。よりスマートで軽やかで、自然に負荷をかけない方法が工夫されていくはずで、そちらの方が経済的にもまわる、となったところからは変化のスピードは加速されていくでしょうね。

ヨハナ はじめの一歩の部分を拓いていくのは、なかなか力が要りますが、地域でのつながり、がんばっている地域同士での知恵や技術の連携プレーで、じわじわとでも、実現していきたいですね!

ec_1206
2012年6月15日

原発のいらない家づくり&暮らし方

5. 日本の木をどんどん使う

大江 大都市にいると日常的に意識することはなかなかないものですが、飛行機に乗って円い窓から見下ろすと、いかに日本が「緑の国」であるかがよく分かります。

ヨハナ あ、聞いたことのあるそのフレーズ・・・緑の列島ネットワーク宣言の冒頭部分ですね!

大江 元ネタがばれましたね。私、そちらの代表でもありますのでね(笑)

ヨハナ 「ところが、いったん森の中に入ってみると、手入れができていない暗い人工林が多く、ゆるやかに森が死んでいっています」と続くんですよね!

大江 そう!で、この森林資源を、木材として活用してすることで、はじめて、山の再生をすることもできるのです。多くの量を活用するのが木の家づくりで、標準的なパネル住宅と比べ3倍以上もの材積を使うそうです。山を再生する鍵を、木の家づくりは持っているのです。

日本の森林蓄積量は増え続けており、今、伐採適齢期を迎えている。

ヨハナ 木の家ネットのつくり手は、それぞれに地域の山と結びついた木材供給をしています。あとはその価値を、世間にアピールして、そのような家づくりを広げていくことですね!

大江 少なくとも、家づくりをしようとする人が「この材木はどこのものなのだろう?」ということぐらいは考えるようになる、というのが第一歩なのでないかと思います。

ヨハナ 食べ物について「産直」ということが言われ出してから定着するまでにも、時間がかかりましたが、今ではわりと一般に知られる考え方となりました。「木材も産直」というアイデアを広めていきましょうね〜

ec_1010
2010年10月9日

森林・林業・地域再生を目指して

ec_int19
2005年1月25日

林業・和田善行さん(TSウッド協同組合):山側から提案する家づくり

ec_akhr05
2007年10月31日

無垢の木を使って森づくりを支える

6. 美しい町並みを取り戻す

大江 戦争で焼け野原になる前の大都市や、地方都市の一部として残っている伝建地区などを見ると、日本の町並み家並みがいかに美しいものであったのか、分かります。ところが、今の新築が立ち並ぶ住宅地はどうでしょうか?

ヨハナ 敷地いっぱいまで建て、軒もでていない、四角い箱をお化粧したような家ばっかりです。しかも、ひとつひとつがバラバラで、町並みになっていない・・・さびしいですよね。

大江 2020年に東京で開催されるオリンピックの時にはたくさんの外国人の方も見えられますが、今の日本でいちばん、抜け落ちているのは、建築かもしれません。

ヨハナ 日本らしい建築を見たいなら、京都に行ってみてください!ではさみしいですよね。「お・も・て・な・し」にいちばん欠けているのは、日本らしい建築や町並みかもしれませんね。

大江 世界の人たちは、日本の職人技術による家づくりをリスペクトし、そうした家が立ち並ぶ風景を求めています。ところが、建築基準法が、そういった風景を再生産することを阻んでいます。

ヨハナ 一方で、最近、国から「和の住まい」というすばらしいパンフレットが発行されましたよね? すばらしいできばえで、ああ、本当にこうなっていくといいな、という感動をおぼえました。これは国のどのような部門の動きなのでしょうか?

和の住まいの要素や、現代の暮らしニーズへの対応などについて分かりやすくまとめた小冊子です。
ダウンロードページはこちら

大江 発行者は国土交通省の住宅生産局です。これまで、家づくりというと国土交通省や経産省ばかりが、古い建物の保存となると文部科学省や文化庁と、縦割りで扱われることが多かったものですが、このパンフレットは、これらの省庁を横断する形でつくられ、これまでとは違った新しい流れとして観光庁も関わっているようです。

ヨハナ このような動きが、同じ省庁内で起きている「伝統構法がますます作りにくくなる」という情勢を変えていく結果に結びつくといいですね!

大江 政治や行政がこうした矛盾に気づき、美しい町並みを取り戻せるような状況をリードしていっていただきたいと強く願っています。

ec_1211
2012年11月30日

第12期木の家ネット総会 栃木大会

ec_1011
2010年11月26日

工務店・山本兵一さん(大兵工務店):蔵の街の再生をめざして

ec_rpt097
2009年12月25日

速報!アンケートの全回答とまとめ

ec_int31
2008年6月27日

大工・綾部孝司さん(綾部工務店):原点回帰

7. 伝統構法を世界遺産に

ヨハナ そして最後にドーンと、花火打ち上げてください!

大江 まだ思いついただけで、まったくこれからのことですが「伝統構法を世界遺産に」というキャンペーンを展開したいと思っています!

ヨハナ 和食も世界遺産になりましたものね〜

大江 意匠、耐震性、温熱環境、設備、歴史的な価値、暮らしの場・・建築を語るのにさまざまな切り口がありますが、そのどれから見ても、日本の建築は世界に誇るだけのものを持っています。まさに世界遺産にふさわしいものだと思いますよ。

ヨハナ 法隆寺は世界最古の木造建築として世界遺産に登録されていますし、平泉も中尊寺だけでなく庭園や考古学的遺跡群とともに認定されました。富士山も自然そのものだけでなく、富士山信仰や三保の松原といった景観を含めての認定を受けています。

大江 日本建築の美しさは、すでに世界にその価値を高く評価されています。それが未来につながっていくためには、伝統構法という職人による生産システムそのものが守られていく必要があると私は思うのです。

ヨハナ 造る人がいなければ、過去の遺産にしかなりませんものね。まさしく、続いていくことが大事です!そのためには、作る人と作ることを依頼する人との両方がいないと!ですね。

大江 作り続けていくためにも、石場建て立ての設計法や、改正省エネ法における土壁や輻射型暖房の扱いなど、法的なバックアップも必要となってきます。

ヨハナ 少なくとも、伝統的な建築をつくり続けるのに、建築基準法が足かせとなっている状態からは、抜けていかないと、伝統構法は先につながっていきませんものね!

大江 もうひとつ大事なのは、伝統構法は建築に限らない、広がりのある文化そのものだ、という視点だと思っています。ひとつの建築を完成させるには、大工だけでなく、数えきれないほど多くの職方の高度な手仕事が関わっています。

ヨハナ 茶道というひとつの文化に見えて、陶芸、工芸、塗り、鍛造、布もの、お菓子、着物、禅語、お花・・・などと、ほんとにたくさんの分野の文化の上に成り立っているのと同じく、総合性があるわけですね。

大江 いろいろ言いましたが、こうしたことを話せば、スッと分かってくれる人は増えています。経済効率の高さももちろん日本の実力ではあるでしょうけれど、日本の魅力は、手をかけた職人技術にあるのです。経済効率優先のもとに、そういったものづくりが危機に瀕していることを、このままにしておいては、文化がなくなってしまう、といっても過言ではないでしょう。

ヨハナ 東京五輪を2020年に控え、海外からの選手団や観光客を迎えるにふさわしい「日本らしい顔」としての建築文化を、いまひとたび、見直してもよい時期なのではないですよね!大江さん、そのキャンペン、誰も反対する人はいないと思いますよ〜

大江 外国の人が好むから、観光資源だから、という以前に、日本人が日本の文化や暮らしのあり方を再発見する、好きになることからだと思います。木の家ネットの活動を通して、そんなような「あたりまえ」をじわじわと広げていけたら、と願っています。

木の家ネットみなさま、これからもどうぞ、木の家ネットの活動を応援してくださいね! どうぞよろしくお願いいたします!!

Pocket

1 2 3