新事務局/倉敷市 児島舎

職人がつくる木の家ネットが一般社団法人になりました。


職人がつくる木の家ネットは令和元年から「一般社団法人 職人がつくる木の家ネット」として新しいスタートを切りました。

職人がつくる木の家ネットは、国産無垢材をはじめ、環境負荷の少ない自然素材で住宅をつくる様々な職種のつくり手が集まり、2001年10月に任意団体として歩みをはじめました。全国の木の家のつくり手が、情報発信や情報共有をする。それによって「職人がつくる木の家」が広がっていくことが、私たちの目的でした。

これまでの木の家ネット

職人がつくる木の家ネットには、大工、建築士のほか、林業・製材業、左官・建具・畳・水道・タイルなどの職人、木造建築の教育者など、多種多様な会員がいます。その一人ひとりについて「つくり手ページ」で基礎情報を紹介するほか、会員紹介コンテンツでも順々に取り上げています。

2019年5月の時点での会員一覧 現在の状態はこちら

全国各地でがんばっている会員同士がつながり、情報交換できることは、一人ひとりの大きな励みとなっています。また、入会にあたっては、実績や仕事への姿勢、環境意識、入会動機などを理事会が丁寧に審査しています。実績ももちろんですが、審査で大事にしているのが「人となり」。それが「職人がつくる木の家」を求める人が、安心して地域のつくり手に連絡をとっていただける「よりどころ」となっています。

ネットでの情報発信だけでなく、木の家づくりがしにくくなっている状況を打開するための活動を実際に進めてきたことが「職人がつくる木の家ネット」の存在感を増す力になりました。

・それぞれの活動の項目名が、詳細な説明にリンクしています。
・下記ページにて、全詳細を一覧をできます。
  木の家ネットとは? 歴史ページ

一社化する目的

1. 社会的な存在感を高める

これまでさまざまなことを手がけてきましたが、法人格がなかったため、国や社会に対しての存在感に弱い面がありました。

たとえば「伝統的構法の設計法作成及び性能検証実験」検討委員会には、木の家ネットの会員の多くが実務者委員や実大震動台実験後の損傷観察などに積極的に関わっていましたが、これは、あくまでも個人としての参加にすぎません。

「伝統的構法の設計法作成及び性能検証実験」検討委員会が、E-ディフェンスで行った、
伝統木造住宅の実大震動台実験

今後、一般社団法人という法人格をもつことで、職人がつくる木の家ネット自体が実験や調査研究、行政への提言など、木造をつくりやすくするための事業を推進する主体となることができます。

これまでの延長線上にある活動も、法人格をもって主体的に取り組むことで、より強い影響力をもち、社会に貢献できることが増えていくでしょう。行政との折衝、研究者との協働、他関連諸団体やメディアなど、多方面での連携も深めていく所存です。

2. 次世代への継続性

これまで、任意団体、有志の集まりとして活動してまいりましたが、目指すことを確実に実現していくために、役割分担やしくみをより明確にした運営体制をつくりました。また、一社化にともない、岡山県倉敷市の事務局所在地に専任の事務担当を置きます。

福田 典子


事務局

実家が左官業を営んでいることもあり「職人」は私にとって身近な存在で、その職人さんが手がける家づくりの認知度を広め、高めていく「職人がつくる木の家ネット」の活動に魅力を感じています。少しでも皆さまのお役に立てるよう精一杯努めてまいりたいと思います。

運営体制がしっかりと整うことで、次の世代にまで、安定的に持続、発展していくことを願っています。

毎年開催する総会には、さまざまな世代の会員や会員家族が集まる。

3. 定期的な発信

これまで1人だった執筆者を3人に増員することで、より安定して定期的な発信をしていくようにします。

岡野 康史


これまでグラフィックデザインと写真の世界で活動してきました。会員紹介の記事制作には、一般読者や住まい手に寄り添ったフレッシュな視点で臨みたいと思います。会員さんの魅力やものづくりに対する姿勢を、わかりやすい文章と写真で伝えていきたいです。

丹羽 智佳子


農業関係の新聞記者として東京、名古屋で勤めたあと、三重の大工さんと結婚したご縁で、木の家ネットのライターになりました。職人さんや伝統技術など〝受け継がれてきたもの″の尊さを伝えていきたいです。そこから、日本中、世界中に、職人さんのファンが増えていったら嬉しいです。

持留 ヨハナ


木の家ネット創立以来取材執筆してきた蓄積を活かし、ひとつのテーマについて、複数の会員の実践や考えを横断的に紹介する記事を企画・執筆します。木の家づくりを取巻く法律や、災害対応・防災など、時宜にかなった発信もしていきたいです。

 

持留 和也


Webサイト制作・管理

大工さんが、木の個性を見ながら一本一本手刻みをしていくように、木の家ネットのさまざまなページを内容に合わせて作ってきました。デジタルだけれど、アナログな人の手触りが伝わるWebサイトの仕組みづくり、これからも目指します。

 

4. 会員相互の学び合いの充実

建築業を営み継続していくには、経営や人材確保・育成など、さまざまな課題があります。持続的に経営できる経験やノウハウを、会員間で先輩から後輩にアドバイスしたり、共通の悩みを相談したりできる場をつくっていきます。

小規模な工務店では、親方と弟子以外との接触が少ないケースがほとんどです。木の家ネットのつながりの中で、会員間で互いの建前を応援し合うことで、よその親方に学ぶ、弟子同士が語りあう機会が増え、刺激になっている例もあります。設計者が施工者に木のこと、おさまりのことなどを学ぶのも、互いのよりよい連携を生むでしょう。単独の事業所を超えた交流や学びの機会やしくみを、木の家ネット内に実現していきます。

先輩の会員に工務店経営の要所について学び、参加者同士で意見交換をし合った「大工経営塾」。
滋賀県大津市で、一泊二日で行った。

2017年に滋賀で行った「大工経営塾」を発端に、「見積もり部会」がたちあがり、ネット会議システムZoomを使った活動をはじめています。これまでコアメンバーで議論してきたことを、会員間で共有していきたいと考えています。

Zoom会議の様子。それぞれの場所にいながらにして、お互いの顔が見え、コンピューターの画面を共有して、会議ができます。

このように、一般社団法人になった「職人がつくる木の家ネット」は、社会に対しての存在感と発信力を高めつつ、会員が持続的に事業を継続するサポートと「職人がつくる家」を求める人への的確な情報提供をしていく所存です。

つくり手と住まい手とのよき出会いがたくさんあること、木の家づくりがしやすい世の中になっていくことを心から願っています。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

こちらもあわせてご覧ください

一般社団法人 職人がつくる木の家ネットについて
木の家ネットの歴史
定款
入会案内