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設計士・佐藤恵子さん(佐藤建築企画設計):のんびり家

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地元の杉を使うことにも貢献 さまざまな体験のできるモデルハウス

「のんびり家」は人が集まり、楽しむところ

のんびり体験講座の一コマ。近所のおかあさんたちの活動の場所となっている。

モデルハウスというと、ハウスメーカーの営業、というイメージが強い。「これがお似合い」と勧められ、いつのまにか契約へ、ということも多いようだが、「のんびり家」はそうではない。あくまで杉の家のよさを実感してもらうための家だ。

住まいづくり講座で使う「空間カード」を貼った台紙。話し合いながらカードを整理していくことで、アイデアが形を持ってくる。

佐藤さんが週に何回か常駐しており、いつ訪れてもいい。誰でも参加できる「豆腐づくり」「梅ジュースづくり」「炭焼き」「山野菜盆栽」など、家づくりに直接は関係ない「のんびり体験講座」もある。気軽に人が集まれる集会所のようなところなのだ。

「空間カード」の例。こうやって具体的な言葉で考えることで、はじめて自分が何を望んでいるかがわかる。

「住まいづくり講座」も行われる。「子供の頃にあこがれていた住まいとは? 暮らしの中で一番楽しいこと、ニガテなことは?」「誰がごはんをつくる? 誰といつ食べる? 家の中でのキッチンの場所はどこがいい?」そんなことをワークショップ形式でワイワイ話していきながら、生活感覚から家づくりを考えるおもしろさをひとりひとりが主体的に発見していく。

壁は上勝町の杉板パネル

のんびり屋に展示してある杉板パネル。

「のんびり家」は構造は木組み、開口部以外の壁には杉板パネルを使っている。「坪当たりの材積は、在来工法で0.7立米、土壁の伝統構法で1?1.2立米ですが、壁を杉板パネルにすると1.5立米にもなります」それでいて、重苦しくならないのも魅力、と佐藤さんは言う。

徳島県産杉材(間伐材)の活用例。ベンチシステム。内側に照明が入っていて、モダンで美しいデザインです。

この杉板パネルは、ゴミを町外へ持ち出さないという「ゼロウェイスト宣言」、山の草花や葉を出荷する「いろどり事業」、阿波晩茶などの町おこしで有名な上勝町の第3セクター(株)もくさんの工場でつくっている。構造材や板材に使えない間伐材が材料になる。熟練大工でない地元のおばちゃん達でも、組むことができる。

「地場の杉を使った地域興し」がシステムとして確立したことが評価され、杉板パネルの家は循環型社会、持続可能な社会にふさわしい住宅として「第2回 大地に還る住宅」の優秀賞を受賞している。

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左/のんびり屋の暖房を担っている小さな薪ストーブ。杉板の断熱性能があるので、これで十分です。
右/ウッドデッキに腰掛けるのんびりやさんたち。