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木の家ネット第三期総会報告

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木の家ネットの会員が顔を合わせる貴重な機会である総会。今年は、会員である愛知県足助町の大江忍さん、小牧市の丹羽明人さん、静岡県浜松町の寺川千佳子さんが世話人となって、1/31?2/1の一泊二日の行程で、愛知県犬山市の「犬山館」で開催されました。初日の午後には、熊本県立大学環境共生学部助教授で、建築基準法における伝統構法見直しのキーマンである大橋好光先生に「伝統構法のこれから?今後の展望と課題」と題し、先生がなさった、土壁告示の根拠となった実験についてのお話を中心に講演をしていただきました。とても興味深い内容で、その後、専門的、現場的な議論が熱く交わされ、先生にも貴重なご意見をうかがうことができました。木の家ネットをご覧になるみなさんに、その様子をご紹介いたします。

■よりよいものを作り続けて、今にまで伝わってきたのが「伝統」なのです。

講演の内容に入る前に、講演のタイトルも入っている「伝統」ということについて、少しお話ししましょう。木の家ネットのつくり手は、職人の技術と日本の木を使った、それぞれの地域に伝わる木の家づくりを実践しています。ひとつひとつを丹念に手で確認し、自然素材を生かしながら造り上げています。これを、合理化という名の元に簡略された工法によって量産されるの家づくりに対して、ここでは「伝統構法」と呼んでいます。

「伝統」というと、もう形が決まった「古典」、過去から続いてきた形を変えないことと思いがちですが、そうではありません。「伝統」とは今なお生きているものを指しているのです。ひとつ、ひとつの輪っかがつながって長い鎖になるように、世代から世代へ、手から手へと受け継がれ、今に至るまで生き残った形が現在進行形の「伝統」であると私たちは考えます。そこには、技術だけでなく、よいものをつくり続けよう、というものづくりへの姿勢も含まれます。よりよいものをつくっていこうとする改良や工夫の積み重ねが、今に伝わっているのですから、伝統とは革新の連続であるといってもいいかもしれません。

講演の内容に入る前に、講演のタイトルも入っている「伝統」ということについて、少しお話ししましょう。木の家ネットのつくり手は、職人の技術と日本の木を使った、それぞれの地域に伝わる木の家づくりを実践しています。ひとつひとつを丹念に手で確認し、自然素材を生かしながら造り上げています。これを、合理化という名の元に簡略された工法によって量産されるの家づくりに対して、ここでは「伝統構法」と呼んでいます。

「伝統」というと、もう形が決まった「古典」、過去から続いてきた形を変えないことと思いがちですが、そうではありません。「伝統」とは今なお生きているものを指しているのです。ひとつ、ひとつの輪っかがつながって長い鎖になるように、世代から世代へ、手から手へと受け継がれ、今に至るまで生き残った形が現在進行形の「伝統」であると私たちは考えます。そこには、技術だけでなく、よいものをつくり続けよう、というものづくりへの姿勢も含まれます。よりよいものをつくっていこうとする改良や工夫の積み重ねが、今に伝わっているのですから、伝統とは革新の連続であるといってもいいかもしれません。

■「伝統構法」と現代社会の要請

先人から、その工夫と改良の積み重ねである「伝統構法」というタスキを受け取った私たちは、現代社会に生きるつくり手として、そのニーズに応えていく必要があります。ひとつには、前々回の「伝統構法の復権」でも触れましたが、環境的な要請です。限りある資源を、持続可能な形で未来につなげていくことを考えると、木や土といった自然素材の家づくりは、環境に負荷をかけることが少ないだけでなく、循環する資源である点においてもすぐれた可能性をもっています。「長寿命の木の家づくり」が今、注目されている理由もここにあります。

もうひとつには、地震や台風といった非日常的な自然現象に見舞われることを考えに入れなければならない、という安全性の要請があります。多くの寺社や木造建物が倒壊した阪神大震災は、木の家づくりのすぐれた例をも、あまりに弱い例をも露呈しました。「伝統構法は柔構造だから、すぐれて免震的、地震力をやんわり受け流し、よく粘る」という人あり、「いやいやそんなことはない。木造なんて頼りないもの。そのために多くの人が犠牲になった」という人あり・・・。強さについての定量的な評価は?となると「藪の中」になってしまうことが多かったのが、伝統構法でもありました。鉄骨造やコンクリート造などという、研究の中から生まれてきた新しい作り方でなく、古くからあたりまえにあったものであるがゆえに、伝統構法そのものが研究されることもほとんどなかったという状況でした。

そこで、これまで、職人の経験や勘に頼ってきた伝統構法についても、これからつくる家の構造をきちんと考えるためにも、今までなされることの少なかった定量的?な視点に立って検証していかなくては。そして、それを理解し安全で長持ちする木の家づくりに活かさなくては。未来につなげられるように伝統構法を実践していきたいと願うつくり手たちの間に、そんな機運が生まれてきたのも、この頃です。

■伝統構法の強度の研究についてはこれからに期待!

それにしても、どうやって伝統構法の家の強さをはかればよいというのでしょうか?ひとつひとつが手づくりであり、つくり手の技術やモラルに大きく左右されるてしまう。木や土といった自然素材は、工業製品とはちがって、画一的に品質を評価することが難しい。伝統構法とひとくちにいっても、地域によって伝わってきた技術はさまざまであり多様です。また、同じ民家といっても、地震のたびにこわれる町の長屋から、何百年も生き残ってきた豪農の家をひとくくりに語るわけにはいきません。

伝統構法の家の強さ、という難問に、明快な答えを出す研究者も、なかなかいなかったのです。なぜなら、伝統木造は棟梁の世界のことであって、大学で研究する先生や、大学を出て建築に関わる実務家や行政マンも、西洋から入ってきた建築学、つまり先端技術であったコンクリートや鉄骨には詳しくても、木造については学ばないからです。たまに発表される木造についての研究も「木造は弱いから」という評価の低いものが多かったようです。たとえば、建築基準法では、昭和56年の新耐震設計法施工以後、大きな力が加えられたときの建物の傾きの程度を示す層間変位角については「1/120ラジアン」を基準としています。木造の特徴を生かすためにはより大きい「1/60ラジアン」程度まで、条件によってはそれ以上の変形が認められても良いとする研究もあるのです。

しかし、なぜ「木造で1/120ラジアン」でなければならないかというと、基準法をつくるにあたって、コンクリート造(固い構造)の考え方が基本に置かれているからなのです。たしかに、「1/60ラジアン」では3mの柱が5cm斜めに傾いた程度ですが、コンクリートの柱と梁の接合部分ではボロボロに壊れている状態になってしまうでしょう。これでは困りますよね。でも、本当に木造らしさのための基準づくりが、日本に伝わってきた伝統構法の家を正しく評価することが、そろそろ必要なのでは?そのあらわれの第一弾が、1月号で触れた「土壁告示」と考えたいのです。そして、この「土壁告示」を世に出すことに大きく貢献された、木構造専門の研究者である大橋先生を、お招きしたのが、今回の総会です。

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