m28e有限会社

古川 乾提

高速道路のジャンクションが入り乱れる愛知県一宮市で庭師を生業としています。長野県での修行後、28歳で独立、20年近く「m28e エムニジュウハチイー」という屋号で活動しています。
その場に違和感のない材料を選び、その「土地がなりたがっている」庭をつくります。施主が想像する一つ上の場をつくることを、日々目指しています。

〒 493-0001 愛知県一宮市木曽川町黒田字宝光寺5番地2
tel : 0586-82-65820586-82-6582
mobile :
fax : 0586-82-6583

ギャラリー


  • Berglius -光の山-

    富士山があります。

    その富士に育まれた穏やかな人柄。
    石に込められ引き継がれた豪快な空気感。

    この庭は富士を向き、その姿を映し取り、引き込みます。
    それらの素材は生成りのアースカラー、自然体で山の力を吸収します。
    裾野のようなカーブを描くアプローチは優しいスロープと緩やかなステップの二つの表情で人々を迎え入れます。
    自然な風合いの丸太や皮付き板を使ったフェンスは風を招き入れ、快適な空間を保ちます。
    花・香り・実に彩られる庭は季節の移ろいを感じさせ、地を覆う植物や石は日々の手間を軽減してくれます。

    玄関前の広場ではみんなが笑顔でお茶を飲み話をしています。
    手づくりのイスやテーブル、素材感に溢れる石や木に囲まれたその空間は室内では味わえないもう一つの憩いの空間になっていくでしょう。


  • だんだんとつくるしくみ

    ”らしく生きる“ための庭

    緑に囲まれた斜面に子供たちがいた
    細い細い木に登る子
    斜面を駆け下りる子
    斜面を駆け上がる子
    葉っぱをかき集める子
    大きな声で自然へ語り掛ける子
    土で何かをつくる子
    その誰もが自然の一部のように見えた
    その誰もがそうあるべき姿のように見えた


  • natu R

    「もう庭はあきらめようと思って」そんな言葉から始まった。一世代前の雰囲気を残す閑静な住宅街の中、コンクリートの擁壁を持つモダンな建物。こじんまりとしていながらも、間のある空間が印象的だった。ご主人と奥さんが2人で今にみえ、「庭の中に住んでいるような建築にしたかった」とおっしゃられた。足を不自由にされた奥さんが、家の中にいながら常に自然を感じることのできる空間。それが夢だと言われた。
    外周りのカーブを描くコンクリート擁壁の前の植栽地。駐車場横の植栽桝。玄関入り口横に居間からも見られる坪庭空間。コの字型になった建物の真ん中には中庭空間が設けられていた。外から見る樹木は弱ってカリカリになっているか、暴れてしまいブツ切りにされていた。中庭には雑草が生え、木々は暴れ、虫がつき放題になっていた。
    そんな庭だったが、すでに3回つくり直したということだった。「これが最後だと思って依頼します」既存の庭の解体から始める。解体の時はいつも、その土地からのメッセージや以前の作庭者の意図、植物の声を読み取るようにしている。そのどれも無駄にしたくない。
    水はけの悪い土地だということが分かった。
    良い石材が入れてあることが分かった。
    傷んでいるだけで質は良い樹木が多いことが分かった。
    庭の中の循環が断ち切られていることも分かった。
    「山の中で見る山野草の花が好きなの」趣味の良い家具に囲まれた部屋で奥さんは言った。遠出をすることは難しく、そこから眺める世界が奥さんの外の世界になっていた。
    石を積んで高さを出していった。
    植物の根がグジュグジュの地盤から影響を受けない生活域をつくっていった。
    道行く人々にも愛される空間を目指した。
    家具全体を樹木で包むようにした。
    山野草を植えた。
    コケをはった。
    そんな仕事ぶりを見て、奥さんは、「この人、草の一本も抜かないような人だけど大丈夫かしら」と心配し、ご主人は苦笑していた。
    中庭には水場をつくった。
    庭が居間の方を見ているようにつくった。
    居間から庭に出ていけるようなつながる動線にした。
    時折訪れるお友達も、水音、木漏れ日、山野草を愛で、時の経つのも忘れてお茶を楽しまれているという。
    毎年の手入れに訪れるたび、樹木、山野草、コケ、石が良くなっている。庭の中の循環がうまく始まっている気がする。「毎日草を抜いて、水をやって。これだけが楽しみで」。ご主人が笑いながら言った。奥さんが居間のガラス越しに笑顔で庭を見つめていた。「宅配に来た人たちが、しばらく庭を眺めていくんだ」とご主人。
    庭が、心が、元気になっていた。
    人には庭が必要だと分かった。


  • FACTORY CORE SHELTER

    外は中なのか
    中は外なのか
    Is inside outside?
    Is outside inside?


  • 真n中の庭

    日本の真ん中、中山道の真ん中、そこで弧を描きつながる庭。


  • SURROUNDED

    SURROUNDED ×3のながれ

    「なにか気持ちが晴れず、なにか滞っている感じがする」そんな相談から始まりました。
    数年前先代からの庭をつくり直し、今どきのキレイでサッパリとしたガーデニング空間へ。半年ほどが経ち、その空間へ立ち入ることが減り、徐々に違和感を意識するようになった。

    庭をつぶさに見ていくと途切れている所が声を上げはじめる。道と人の断絶、植物と石材の断絶、枝葉と空の断絶、デザイン意志と空間との断絶、庭と建築の断絶。それらの象徴となる場が庭の隠れた部分から出てきました。空気穴。井戸のようなモノの存在。「昔は井戸があった気がする」モルタルを割り、空気穴である塩ビ管をたどっていくと沢山の建築ガラに行き当たった。その井戸は庭づくりで出た不要なモノで埋め尽くされ、形だけの空気穴で納められていた。

    『それまでとこれからの景色をあつめ 包みこみ 舞い上がり そしてひろがる』

    空と地上と地中、この三つの空間を包み込み一つにする仕組みとしての[SURROUNDED]を作庭した。地中には矢野智徳氏の提唱する立穴と横穴による風と水の通り道を施します。圧縮され窒息しそうな地面に呼吸できるよう穴を掘り、敷地内から出る砕石や瓦・剪定した枝葉を風が水を押すように敷き詰め、微生物の住処となる炭を入れ、表面を景色として整えた「風穴」(自分たちはこう呼んでます)で地中の環境を整えました。地上は建築、地域、歴史、土地の属性、そこに集う人々と繋がる「拠り所」としてのデザインを落とし込みました。空は枝や葉によって送られる風のひろがり、石や物体が指し示す方向性、それらが集まる場所としての空間づくりをしました。そして要となる地面の下を流れる川の力をかりる「井戸」を庭の景として復活させました。

    ここに立った心は広がりを感じます
    ここに立った身体は心地よさを感じます
    ここにある循環はここにあるべきモノの力をかり、こことその先へと還元していきます

    三っつの世界が家族を見守ります