1 2 3 4

つくり手の声:暑さ寒さとつきあう知恵

Pocket

風が通り、空気の流れがうまれる工夫

風の通り、空気の流れ

風の通りをよくする為に、引き戸を多用し、室内の建具の開口をなるべく高くする。

三重、高橋さん

間取りは開放的に、間仕切りをできるだけ少なく。建具も極力引戸で引き込み可能として全面開放。

山口、久良さん

なるべく機械冷房に頼ることのないように風の通り道を確保した家の造り方に留意しています。南北に風の通るよう窓を設けることは基本ですが、縦方向にも空気の流れる空間を設け高窓から熱気が抜けるように計画します。

愛知、中村さん

季節風を考え、自然に空気が抜けるよう、開口の計画をします。

三重、池山さん

玄関戸に網戸を用意したり、北側の屋根に開閉できる天窓をつけて、風の通り道を作っています。

静岡、寺川さん

まずは空気の流れを作ること、対面する壁には複数の開口を取る。上部にも抜ける開口を作る。特に部屋の天井付近での通風は熱い空気が出て行きますから効果的でしょう。ランマ部分が開閉できると良いわけです。

埼玉、宮越さん

床下からの冷たい空気を玄関内へ取り入れ、夏の室内温度を少しでも下げる

愛知、大江さん

風が無い日でも空気の流れるような工夫は昔の家にはあった。例えばトイレの、高窓と足元の窓、など。

三重、田上さん

image熊本は西に海がある。夏は陸地が温められるので、西から風が吹く。西から風を取り入れたいが、西日も入ってくる。西陽は潜熱量が大きいので、窓の位置を低くして輻射熱の影響を少なくする。当然出口を考えないと風は入らない。建物の南の地面より、北の地面が低温である。その温度差で、空気が動く。無風状態でも、家の中で風が起こる。その風の通り道を確保するために、欄間をつける。なんだ、昔の日本の家だ。気温が同じでも、風があれば涼しく感じる。扇風機を廻しても気温は下がらないのに、人の体の汗腺から出た汗が、気化熱で体温の熱を奪う。エアコンで温度を下げれば、汗腺は閉まったままで開かない。健康にも良くない。子供をエアコンの部屋に住まわせたら、汗腺が自分は不要な存在と思い、閉ざしたままになる。そして退化する。本当に汗をかかなければならない時、汗腺が開かないのが無汗症である。一人の1台のマイ扇風機を持とうimage作図:古川保

熊本、古川さん


屋根を張らず、小屋裏通気層をとる。置屋根も。

断熱と通気層を屋根面で

天井を張らず、小屋裏現しにすることが多いので、屋根面での断熱、そして通気層の確保。

三重、高橋さん

最上階に天井を設けずに、小屋裏通気を重視することにより、滞留した熱い空気がたまらないようにする。

愛知、大江さん

置屋根

屋根の下の空間には、断熱層の外側に通気層を。置き屋根にし、蔵さながらの通気層をとることも。 image 「軒の出」がない状態で、おおむねの雨じまいをし、その上に母屋(もや)を取り付け、垂木を流して「置屋根」にする。 念のために壁の中に忍ばせていた、エアコン用の専用回線も未だ使われることがない。真夏の午後、室内側から天井に触れてみても、やや暖かい程度で、快適。

三重、池山さん


その他、住まい方や家の敷地全体でできる、さまざまな工夫

建具

スリット式雨戸

滋賀、岩波さん

木製の全面網戸は効果的である。網戸に格子を付ければ、夜、安心して開け放しができる。

熊本、古川さん

ヨシズ、すだれ、網戸

ホームセンターで安く売っているヨシズと滑車を使った簡単な巻き上げ式のヨシズ

愛知、丹羽さん

スダレなども使い方によっては効果が期待できます。壁や窓に直につけるのではなくある程度離れをとっておくことが良さそうです。日影のかたまりをつくることになり、スダレ部分で日射を遮り、放熱もしますからその内側への熱の伝達は軽減されるはずです。日除けのパーゴラなどもよいですね。

埼玉、宮越さん

四季を体験する日本人は、視覚・聴覚で自然を感じる。すだれを見たら涼しく感じ、暖簾の動きで風があるかのように錯覚する。風鈴の音や鈴虫の音でも涼を感じる。体感温度は1?2度低く感じる。エネルギーゼロの手法を使わない手はないだろう。

熊本、古川さん

我が家の場合は玄関が西に向いているので、夏場は玄関の庇に簾を垂らします。梅雨明けが近づくと、玄関の外に簾を垂らし、網戸を設置して、暑さ対策は完了。「さあ夏よ来い!」といった気分です。

静岡、寺川さん

外回り

車庫、イヌバシリなど、できるだけ土間コンを打たない。

山口、久良さん

打ち水

庭や屋根への散水も効果的。

愛知、中村さん

家のまわりに水撒きするのは効果的だし、水撒き自体が気持ちいい。

埼玉、宮越さん

植栽

このごろ、樹木の大切さをつくづく感じます。家を造るときは必ず、生垣や陽よけ、風よけの樹を植える予算を、家を削ってでも残すか、どうしてもだめなら自分で植えてもらうよう、すすめたいと思います

東京、長谷川さん

南の窓の外側に大きい木を植えて、西日を遮るようにしています。

静岡、寺川さん

通風と風の流れをつくる植栽計画も大事です。もっと簡単なものとして、ゴーヤやひちまなど、つる性の夏の植物を竹やネットなどに這わせる「緑のカーテン」は昔から日本家屋の夏の風物でもあったわけですが、今は小学校の教室を涼しくするために大人気。窓の外で日射を防ぎ、植物の葉の蒸散作用で涼風を取り込む.これを庭側の開口部に設置。昨年はゴーヤが豊作でした。

東京、林さん

image 当事務所は西日をもろに受けてしまいますので、パーゴラをはヘチマ棚にして日差しを防いでいます。ただ、葉がいっぱいに覆い茂るまでには忍耐の時期があるわけです。7月中はまだ、葉で被われる状況にはならないので厳しい西日をモロに受けます。スダレとブラインドとハンギングしているプランターに散水でしのぐ。特に西側にはNTTの大きな駐車場があって、最悪の照り返し。だから、夏は雨の日が嬉しいですね。こんな絵があります。昔の人もこうやって涼を取っている。やっぱり、日中は暑かったのでしょうね。きっといろいろな工夫をしながら生活していただろうと想像できます。

埼玉、宮越さん

地面の照り返しがあっても、緑の表面温度は33度を超えない。西から風が来れば、西方向の樹木を抜けた風はラジエーター現象で、気温が33度近くに落ちる。大体木10本が目安である。

熊本、古川さん

緑化

image板金屋根の上から軽量土壌を敷いて行った屋上緑化 さるイベントにて、さるさる木造パビリオンの横に「木造平屋建て芝生葺き屋根」のスタッフ管理棟を建てさせてもらいました。はじめは板金屋根の予定でしたが、雑木林に囲まれた立地条件と夏の真っ盛りのイベントでお客も詰め掛けるという訳で、板金屋根の上から軽量土壌を敷いて、芝生や雑草を。定期的な散水システムも施し、半年間の会期の間スタッフや見学者たちを強い日照りから守ってくれていました。「屋上緑化」はコンクリート造の建物では最近時々見られるようになりましたが、木造ではまだ少ないようです。水仕舞いをしっかり考えないといけませんが、将来的にこのような涼のとり方もアリかなと思います。ちなみにこの建物はまだ撤去されずに残っていますので、となりの古家といっしょにご覧になってください。

愛知、中村さん

昨年竣工した「武蔵野・草屋根の家」は東京でできるエコライフのために今考えられることを一通り(しかも限られた予算で)試してみた住宅です。 草屋根は断熱材でもあり、屋根面から外気への輻射熱も押さえます。

東京、林さん

私事で申し訳ありませんが、我が家は蔦ですっぽり覆われてしまいました。こんなことは絶対やってはいけない。家が腐ってしまう。我が家の場合、外壁と屋根が安い鉄板波板なので、まあいいかと放っておいたらこの様です。ヤモリやクモとも共生の家です。しかし、涼しいことには涼しい。近所の人が緑の壁に向かって住むので気持ちがいいと褒めてくれました。我が家の例は勧められませんが、西壁などで家から少し離して金網か格子を設け、つる性の植物を這わせるなどすると良いかと思います。ブロック塀などは蔦を這わせて全部覆っても良いですね。

東京、長谷川さん

東京で心地よく暮らすには、猫の額のような自分の敷地だけではもはやどうしようもないと思っています。周りの環境がより改善されない限り、東京生活の未来はない(!)のではないかと。つまり、一つの住宅から始めて周囲へ、街へ、東京へ、日本へ、地球へとつながっていく、そんな気持ちで提案をしていきたいと思うのです.今、東京で一番気を配っていることは夏場の外気温を下げ、東京の空気をきれいにすること、風の道をつくること、水を土に帰してあげることでしょうか。

東京、林さん

Pocket

1 2 3 4