このコーナーでは、サステナブル建築物等先導事業(気候風土適応型)に採択された事例をご紹介します。脱炭素社会につながるエネルギー削減やCO₂排出量削減の一部分だけを切り取って評価するのではなく、住まいのライフサイクルを見据えた環境負荷低減の手法や魅力を、たっぷりと感じていただければ幸いです。
気候風土適応住宅は、地域の気候や風土に応じた建築的工夫などの特徴が次の5つの観点まとめられています。これらは、環境負荷低減に直接つながるものや、住まい方に影響を与えるなど間接的な効果が期待できるものまで様々な仕様やしつらえがあります。
出典:一般社団法人 日本サステナブル建築協会 「気候風土適応住宅」の解説
地域や外部環境に固有の気象要素(外気温、日射、外部風など)の活用や制御に資する、地域に根ざした住宅の様式や形態、空間構成に関する特徴。
例:縁側/引戸形式の内部建具/深い軒庇/中庭等
地域で旧来より用いられてきた構造方式や構造材の使用方法、劣化外力となる地域の気象要素に対する耐久性向上に資する住宅各部の材料・構法などに関する特徴。
例:小屋組現し/真壁/石場建て/せがい造り/手刻みによる加工、伝統的な継手仕口
地域で生産・供給される建築材料の使用、地域の生産者や職人が住宅生産に関与する仕組みなどに関する特徴。
例:地域産の木材の使用/地域産の自然素材の使用/地域の大工、建築職人の登用
地域のまちなみや集落景観の維持保全に資する、建物や外構の構成、形態、材料などに関する特徴。
例:地域に根ざす建築形態・材料の使用/周囲と調和・連担した外構、緑化計画
地域でこれまで培われてきた暮らしを継承しているとみられる住まい方に関する特徴。
例:季節に応じた生活習慣(建具の入れ替え、打ち水、風鈴等)/局所的な採暖器具の利用(囲炉裏、炬燵等)/すだれ・よしずの利用
このコーナーに関連する公開済みの記事です。その時点での捉え方になっている点もありますが、視点を変え気候風土適応住宅を更にご理解いただける内容になっています。