長らく待っていただいた綾部の由緒ある神社の手水舎、木工事終了。手水鉢は綾部藩初代藩主の九鬼さんが奉納した自然石をくりぬいた野趣のあるもので、400年前の人が楽しみながら選ばはったんやろうな、と想像すると楽しくなる。この手水舎の蔦石に御影の切り石が据えなおしてあったことやすぐ横には地元の方が奉納した超立派な四方転びの手水舎があることから、目指すは行の草、控えめですっきりした姿。もとは柱だけ磨き丸太の予定が、再考して桁梁も丸太に変更。板金屋さんは氏子の方で、予算の都合で立平葺きの予定だったけど、建屋を見て「平葺きにします!」とのうれしい言葉。病気仲間やね。社寺や古民家、地元の方々が途方もない期間大事にされてきて、その思いの積み重ねの上で初めて残っているということ、それを今引き継ぐときに大工として関わらせてもらっているということ、あらためて背筋が伸びる思いです。