敷地は河川敷の緑が連なる憩いの緑地公園区域にあり、当住居もこの緑の景観に配慮した家屋と造園計画を目指しました。
これから子育てを迎えるというご夫婦は昔ながらの土間と畳のある家を望まれ、河川敷の緑地公園に対して大きく開いた家は、地元の季節風である西風を取り込むつくりを主として重んじ、季節と共に快適にくらす先人たちの暮らしの知恵・伝統的な家造りの知恵を見習うこととしました。
南国特有の温暖多湿な気候は、湿度が高く夏は蒸れる様な暑さが不快、また家を傷めやすい要因となりますが、真壁による土塗壁や構造体(木材)現し、石場建てなど伝統的な造りは長期的視野において湿気を吸放湿しやすい造りであり、点検のしやすさなど家の耐久性を図ることができます。使用される材料や出てくるゴミもその殆どが土に還る素材であることが、ご夫婦にとって子供たち未来を傷つけない選択肢であったようで、持続循環していく未来をイメージし環境に配慮した住まいづくりを目指しました。