東京の土壁の家

暮らし・景観・つながり 始まりとしての建築

東京都内にあって、未だ都市農業が盛んな地域の景観に溶け込むように、1階は土壁下地焼杉羽目板張り、2階は土壁下地土佐漆喰塗りの真壁、屋根はいぶし銀和瓦葺きとし、シンプルで品のある外観でまとめた。建物の周囲を黒ベンガラ塗りの大和塀で囲い、道路側駐車場は芝緑化ブロックを敷き詰め、落葉高木植栽などの外構工事が、建物周辺の微気候調整向上に効果を上げている。生活の質の満足度と環境負荷低減の実現に向けて、使用する素材は安全で生産エネルギーの少ない地域の自然素材とし、長期的な維持管理を考えて、この国の普遍的な職人技術で建設した。環境と共生するこの住宅が100年という単位で地域に残っていくかどうかは、住み手家族の建物への愛情の深さによって決まる。建て主直営という施工体制と、焼杉製作や塗装工事となどの経験が、今後の住み継ぎの力になっていくことを祈りたい。

広間南側の木製全開建具(外側から雨戸+網戸+ガラス戸+障子の多層構成)
矩形図

ポイント

POINT
1
地域の材を使い、手仕事で建てる
❷ 構工法
❸ 材料・生産体制
POINT
2
多様な暮らし方に応じた空間形成とする
❶ 様式・形態・空間構成
POINT
3
建て主直営という施工法と、住み手家族の工事参加
❸ 材料・生産体制

建物の概要

テーマと要素

1
様式・形態・空間構成
2
構工法
3
材料・生産体制
4
景観形成
5
住まい方
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